フィンランド語学習記 vol.169 − 命令文(二人称単数)

photo credit: broadsurf via photopin cc

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フィンランド語教室59週目のレポート。

今回扱ったのはいわゆる命令文。

Nuku.(寝なさい。)
Älä nuku.(寝るな。)
*nukkua(寝る)

「命令」文とは言っても、実際には「お願い」くらいのニュアンスで気軽に使えるのだそうです。

授業では、動詞の辞書形(原形)から、命令形を作る手順を習いました。

以下に手順をまとめておきたいと思います。

 

手順1)一人称単数の形を作る

これまでに習った動詞のタイプは4つ。今回はそれぞれのタイプから一つずつ動詞を選んで命令形を作ってみたいと思います。

タイプ1 2つの母音で終わる動詞 例、lukea(読む)
タイプ2 [dA]で終わる動詞 例、syödä(食べる)
タイプ3 [lA, nA, rA, stA]で終わる動詞 例、ajatella(考える)
タイプ4 [AtA, OtA, utA]で終わる動詞 例、vastata(答える)

 
それぞれの動詞の人称変化は次のとおり。

T1 T2 T3 T4
lukea syödä ajatella vastata
一人称単数 luen syön ajattelen vastaan
二人称単数 luet syöt ajattelet vastaat
三人称単数 lue syö ajattellee vastaa

 
*タイプ1の lukea では[k→×]、タイプ3の ajatella では[tt←t]の k, p, t 変化が適用されています。

命令形を作るときには、この中から一人称単数の形(luen, syön, ajattelen, vastaan)を取り出します。

 

手順2)人称語尾[-n]を外す

一人称単数の形を取り出したら、人称語尾の[-n]を外します。

luen → lue
syön → syö
ajattelen → ajattele
vastaan → vastaa

以上で命令形のできあがり。

Lue!(読みなさい。)
Syö!(食べなさい。)
Ajattele!(考えなさい。)
Vastaa!(答えなさい。)

命令形には、このほか否定の形もあります。

さきほどの肯定形ができていれば、そこから否定形を作るのは簡単。

 

手順3)文頭に Älä を置く

否定の命令文を作るには、さきほど作った肯定形の文頭に Älä を置きます。

Älä lue!(読むな。)
Älä syö!(食べるな。)
Älä ajattele!(考えるな。)
Älä vastaa!(答えるな。)

以上。

と言いたいところですが、これで終わらないのがフィンランド語。

なんとフィンランド語の命令文には、相手が単数のときと複数のときで形が変わるというルールがあります。

今回紹介したのは、相手が単数のときの形。

明日のエントリーでは、相手が複数のときの形を扱ってみたいと思います。