サボテンはどこからやって来たのか?

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英語で「サボテン」は cactus(カクタス/キャクタス)。
語感があまり英語らしくないこの単語。調べてみるとギリシア語起源の単語なのだとか。
c.1600, from Latin cactus “cardoon,” from Greek kaktos, name of a type of prickly plant of Sicily (the Spanish artichoke), perhaps of pre-Hellenic origin…
『Online Etymology Dictionary』
そう言われてみると、カクタスというのは何となくギリシア語っぽい響きがありますね。(まあギリシア語を知っている訳ではありませんが。。。)
気になったので、各国語のサボテンを調べてみました。
ドイツ語 | der Kaktus |
---|---|
ギリシア語 | Κάκτος |
スペイン語 | cactus |
フィンランド語 | kaktus |
フランス語 | cactus |
マレー語 | kaktus |
みごとに[k]と[c]のカクタスが並んでいます。
ほほーと思いつつ、ここで一つ重大な疑問が。
カタカナで書くだけに外来語かと思ったのですが、各国語のリストを見ても「サボテン」に近い単語は見当たりません。
どうしたものか?と思い、広辞苑を見てみるとこんな説明が。
サボてん【仙人掌】
(石鹸(せつけん)の意のポルトガル語 sabão と「手」との合成語の転)サボテン科の常緑多年草。。。(略)
『広辞苑』
サボテンの「サボ」は、ポルトガル語の sabão(サボン)から来たんですね。
しかしよくわからないのは、石けんとサボテンのつながり。
まさかサボテンで体を洗っていたわけではないでしょう。(ヘチマの過激版?)
はてな?と思い、Wikipedia を見てみるとこんな記述が。
日本には16世紀後半に南蛮人によって持ち込まれたのが初めとされている。彼らが「ウチワサボテン」の茎の切り口で畳や衣服の汚れをふき取り、樹液をシャボン(石けん)としてつかっていたため「石鹸のようなもの」という意味で「石鹸体(さぼんてい)」と呼ばれるようになったとする説が有力で、そのため1960年代ころまでは「シャボテン」のほうが正しいとする人がかなりいた。
Wikipedia「サボテン」より
なるほど。サボテンの樹液を石けんとして使っていたんですね。
これは知りませんでした!
ことばというのは時に思いがけないところから生まれてくるという、一つの好例だと思います。