シマウマはシマのあるウマなのか?

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フィンランド語で「シマウマ」は seepra(セープラ)。

関係があるのかどうかはわかりませんが、英語の zebra にちょっと音が似ています。

なおフィンランド語で「ウマ」は hevonen(ヘヴォネン)なので、さきほどのシマウマとはあまり似ていません。

フィン
seepra zebra シマウマ
hevonen horse ウマ

 

こうして見ると、日本語では「ウマ」に縞を足して「シマウマ」になっていますが、フィンランド語と英語では全く独立した単語が用意されているということになります。

このことは「シマウマ」のアイデンティティ(?)を考える上で、かなり大きな意味を持っているのではないでしょうか。

日本語の母語話者は、シマウマを単に縞のあるウマであると考えがちだと思うんですね。

しかしフィンランド語や英語の母語話者は、シマウマをウマに似てはいるけれどもウマとは別の同格的存在であると考えるのではないかと。

ヒトは言葉という装置によって、この世の中に存在する事物や抽象概念を識別します。

例えば、この色。

000000000000

 

この色を light blue と呼ぶ人は、blue の一種であると認識するでしょうし、水色と呼ぶ人は、青とは独立した一つの色であると認識するのではないでしょうか。

この light blue/水色の関係は、シマウマ/zebra の関係にも当てはまると思います。

試しに英英辞書による zebra の定義を見てみましょう。

zebra

an African wild animal like a horse with black and white lines(=STRIPES)on its body

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』

zebra は horse の一種ではなく、horse のような動物と定義されています。

動物学的にはシマウマの立ち位置は一義的に定まるのかもしれませんが、言語的には揺らぎの中にある。そんなシマウマの気持ちはどんなものでしょうか?