「手紙を書く」の書き方
まずは英作文から。
「昨日ジェームズに手紙を書いた」という日本語を英語に直してみましょう。
まず思い付くのは次のような文でしょうか。
I wrote a letter to James yesterday.
to の代わりに for を使ってしまうと、意味が変わってしまうので要注意。
I wrote a letter for James yesterday.(私は昨日ジェームズのために手紙を代筆しました。)
ジェームズの代わりに、彼/彼女などの代名詞を使うときには、次のような形も。
I wrote him a letter yesterday.
この形で James を使うのはやや不自然。
△ I wrote James a letter yesterday.
また次のように手紙を明示しない言い方もあります。
[英]I wrote to James yesterday.(私は昨日ジェームズに手紙を書きました。)
[米]I wrote James yesterday.(私は昨日ジェームズに手紙を書きました。)
[米]I wrote James yesterday.(私は昨日ジェームズに手紙を書きました。)
これはノンネイティブにとっては、ややひっかかりのある表現かもしれません。
大抵の辞書を引くと「write+人」「write to+人」の形で、人に手紙を書くという意味になると書いてあります。
しかし「人に書くもの」の主役は、この10年で手紙からメールに変わりました。
それに伴い write という基本動詞が内包するイメージも水面下で少しずつ移り変わっているということはないでしょうか。
もしかしたら、10年後には次のような用法が主流になっているかもしれません。
[英]I wrote to James yesterday.(私は昨日ジェームズにメールを送りました。)
[米]I wrote James yesterday.(私は昨日ジェームズにメールを送りました。)
[米]I wrote James yesterday.(私は昨日ジェームズにメールを送りました。)
あるいはメールは衰退し、SNSに近い全く別のツールが主流になっている可能性もあります。
いずれにしても「I wrote (to) James.」という文から「手紙」を想像するには、手紙というものが私たちの日常生活から遠く離れてしまったと感じるのは私だけでしょうか?