women はなぜ /wímɪn/ と発音するのか?
英語は綴り字と発音の整合性があまりない言語。
その中でも不思議な発音をする単語の一つがこちら。
[o]の文字に[i]の音を当てる単語というのは、ほかにあるのでしょうか?
なぜこのような音になったのか調べてみると、そのカギは語源にあるようです。
woman (n.)
“adult female human,” late Old English wimman, wiman (plural wimmen), literally “woman-man,” alteration of wifman (plural wifmen) “woman, female servant” (8c.), a compound of wif “woman” (see wife) + man “human being” (in Old English used in reference to both sexes; see man (n.))…
『Online Etymology Dictionary』
ちょっと込み入っているので、順番に見ていきましょう。
1)現在の woman, women は古英語(old English)においては wifman, wifmen という形でした。
この時点では、現在の women の発音と同じように wi- と綴っていたんですね。
2)wifman, wifmen から /-f-/ の音が脱落し、wiman, wimmen となります。
3)単数形において、発音が /wi-/ から /wʊmən/ へ変化し、それに伴って綴り字も woman となります。
4)複数形においては、発音は /wi-/ から変化しなかったものの、単数形に合わせて綴り字だけは women となりました。
以上が現在の women 誕生の経緯。
なお women の発音においては、前半の[wo-]を /wi-/ と発音する部分にのみスポットが当てられがちですが、後半の[-men]も、男性の men とは発音が異なるので要注意。
women /wímɪn/
こちらのサイトにいくつか発音例がのっていますので、気になる方は確認してみてください。
よく聞いてみると「ウィミン」に聞こえるものと「ウィメン」に聞こえるものの両方があるような気がします。