フィンランド語学習記 vol.184 − 内部格と外部格

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前回のエントリーでは、フィンランド語の格変化の一つ、入格の作り方を紹介しました。
フィンランド語学習記 vol.183 − 入格の作り方 | Fragments
これによって、フィンランド語のいわゆる場所格(内部格・外部格)が全て揃ったことになります。
改めて全体像を見てみましょう。
内部格とは?
内部格というのは「〜の中に」「〜の中から」「〜の中へ」という意味を表す格変化。
例えば、metsä(森)という単語は次のように変化します。
[内格]metsässä(森の中に)
[出格]metsästä(森の中から)
[入格]metsään(森の中へ)
[出格]metsästä(森の中から)
[入格]metsään(森の中へ)
それぞれの格語尾は次のとおり。
内格 | -ssA | 〜の中に | (静止点) |
---|---|---|---|
出格 | -stA | 〜の中から | (出発点) |
入格 | * | 〜の中へ | (到達点) |
*入格は単語によって格語尾の形が変わります。
テキストには次のような例文がのっていました。
[入格]Kissa menee metsään.(ネコは森へ行く。)
[内格]Kissa on metsässä.(ネコは森の中にいる。)
[出格]Kissa tulee pois metsästä.(ネコは森からやってくる。)
*mennä(行く)、tulla(来る)
[内格]Kissa on metsässä.(ネコは森の中にいる。)
[出格]Kissa tulee pois metsästä.(ネコは森からやってくる。)
*mennä(行く)、tulla(来る)
こうして見ると、それぞれの格と動詞が密接に結びついているのがわかります。
外部格とは?
外部格というのは「〜の上に」「〜の上から」「〜の上へ」という意味を表す格変化。
例えば、pöytä(テーブル)という単語は次のように変化します。
[接格]pöydällä(テーブルの上に)
[離格]pöydältä(テーブルの上から)
[向格]pöydälle(テーブルの上へ)
[離格]pöydältä(テーブルの上から)
[向格]pöydälle(テーブルの上へ)
それぞれの格語尾は次のとおり。
接格 | -llA | 〜の上に | (静止点) |
---|---|---|---|
離格 | -ltA | 〜の上から | (出発点) |
向格 | -lle | 〜の上へ | (到達点) |
テキストには次のような例文がのっていました。
[向格]Kissa hyppää pöydälle.(ネコはテーブルの上へジャンプする。)
[接格]Kissa istuu pöydällä.(ネコはテーブルの上に座っている。)
[離格]Kissa hyppää pois pöydältä.(ネコはテーブルの上からジャンプする。)
*hypätä(ジャンプする) 、istua(座る)
[接格]Kissa istuu pöydällä.(ネコはテーブルの上に座っている。)
[離格]Kissa hyppää pois pöydältä.(ネコはテーブルの上からジャンプする。)
*hypätä(ジャンプする) 、istua(座る)
一連のネコの動きが想像できるような例文ですね。(^_^)
以上、今回はフィンランド語の場所格(内部格・外部格)についてまとめてみました。
これらを使いこなせるようになると、かなり表現の幅が広がるような気がします。
楽しみですね!