フィンランド語学習記 vol.187 − jokin

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Onko jokin hätänä?(何か心配なことはある?)
Tässä täytyy olla jokin virhe.(何か間違いがあるに違いない。)
*hätä(心配)、virhe(間違い)

このごろフィンランド語のテキストを読んでいると、この jokin という単語によく出会います。

意味は「何か」。英語の something に当たる単語です。

この jokin という単語は神出鬼没というか、さまざまに姿に変装して、あちこちの文に現れます。

しかしどうも用法があいまいだったので、きちんと調べてみることにしました。

 

jokin の格変化

jokin は他の単語と同じように格変化をします。しかし語末ではなく、前半の[jo-]の部分が変化するので要注意。

フィン
主格 jokin 何か
分格 jotakin 何かを
属格 jonkin 何かの
内格 jossakin 何かの中に
出格 jostakin 何かから

 

規則性はあるので、フィンランド語の格変化をひととおり覚えた人には、難しくはないでしょう。

 

jokin の用法

もう一度、冒頭の例文を見てみましょう。

Onko jokin hätänä?(何か心配なことはある?)
Tässä täytyy olla jokin virhe.(何か間違いがあるに違いない。)

この二つの jokin は一見同じに見えますが、よく見ると一つ違いがあります。

わかりやすくするために英訳と並べてみましょう。

まずは一つ目の文。

フィン Onko jokin hätänä ?
Is anything wrong ?

 

この文では jokin は「何か」という主語の働きをしていることがわかります。

続いて二つ目の文。

フィン Tässä täytyy olla jokin virhe .
There must be some mistake .

 

この文では jokin は「何らかの」という形容詞の働きをしていることがわかります。

文構造をつかむためには、これらの用法の見極めが必要。

例えば、フィンランド語教室のテキストにはこんな文が出てきました。

Kalle syö jotakin.(カッレは何かを食べています。)
Pekka lukee jotakin lehteä.(ペッカは何か新聞を読んでいます。)
*syodä(食べる)、lukea(読む)、lehti(新聞、雑誌)

上の文では jotakin が単独で目的語になっていますが、下の文では(jotakin)lehteä が目的語になっています。

以上、今回はフィンランド語の不定代名詞 jokin についてまとめてみました。

英語の something と some、anything と any をフィンランド語では同じ単語で表していると考えるとわかりやすいのかもしれません。