フィンランド語学習記 vol.199 − 第3不定詞とは?

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フィンランド語教室69週目のレポート。
今回は新しい文法事項として、第3不定詞(MA不定詞)を扱いました。
フィンランド語の不定詞を習うのは初めてなので「第1・第2はどこへ行ったの?」という疑問は残しつつ、まずは第3不定詞に取り組むことに。
英語の不定詞を扱うときに、よく名詞的用法/形容詞的用法/副詞的用法という分け方をするので、第3不定詞というのもこの中の一つなのかな?と思ったのですが、全然違いました。
まずは次の文をご覧ください。
Minä olen kirjastossa.(私は図書館にいます。)
*minä(私は)、kirjasto(図書館)
*minä(私は)、kirjasto(図書館)
この文で「図書館」を意味する kirjasto は内格[-ssA]の形になっています。
[主格]kirjasto(図書館は)
[内格]kirjastossa(図書館の中に)
[内格]kirjastossa(図書館の中に)
続いて次の文を見てみましょう。
Minä olen kirjastossa lukemassa kirjaa.(私は図書館で本を読んでいます。)
*lukea(読む)、kirja(本)
*lukea(読む)、kirja(本)
この文で「読む」を意味する lukea は第3不定詞内格[-mAssA]の形になっています。
[第1不定詞=辞書形]lukea(読む)
[第3不定詞内格]lukemassa(読むことの中に=読んでいる途中)
[第3不定詞内格]lukemassa(読むことの中に=読んでいる途中)
この第3不定詞というのは、もともと名詞や形容詞に付ける格語尾を(本来なら付けられない)動詞に付けて、新たな意味を生成するためのしくみ。
改めてさきほどの kirjasto(図書館)と lukea(読む)の形を比べてみてください。
kirjasto | + | ssA | = | kirjastossa(図書館の中に) | ||
lukea | + | mA | + | ssA | = | lukemassa(読むことの中に) |
真ん中の[-mA]というのが第3不定詞の印です。
第3不定詞には、内格のほかに次のような形もあります。
mAssA | 第3不定詞内格 | 〜している途中で |
---|---|---|
mAstA | 第3不定詞出格 | 〜してから |
mAAn | 第3不定詞入格 | 〜しに |
mAllA | 第3不定詞接格 | 〜することによって |
mAttA | 第3不定詞欠格 | 〜せずに |
これらの形を使えば、こんな表現も可能。
[第3不定詞出格]Pekka tulee kirjastosta lukemasta kirjaa.(ペッカは図書館で本を読んでから来る。)
[第3不定詞入格]Liisa menee kirjastoon lukemaan kirjaa.(リーサは図書館へ本を読みに行く。)
*tulla(来る)、kirja(本)、mennä(行く)
[第3不定詞入格]Liisa menee kirjastoon lukemaan kirjaa.(リーサは図書館へ本を読みに行く。)
*tulla(来る)、kirja(本)、mennä(行く)
この第3不定詞を自由に使えるようになれば、ずいぶん多様な表現ができそうな予感。
あとは実戦で使いこなせるよう、瞬発力を鍛えていきたいと思います!