ちょっと変わった複数形のレッスン(2)
昨日に続いて、複数形の不規則変化について。
ちょっと変わった複数形のレッスン(1) | Fragments
まずは昨日同様、それぞれの複数形を思い浮かべてみてください。
vertebra(脊椎骨)
datum(資料)
analysis(分析)
criterion(基準、尺度)
kibbutz(キブツ=イスラエルの集団労働施設)
??
??
それでは正解を見てみましょう。
1)語尾が[-us]から[-i]に変わるもの
語尾が[-us]から[-i]へ変化するのは、ラテン語起源の単語。
そしてこのグループで特に気に入っているのはこちらの単語。
「オクトパイ」という語感が好きなのですが、現在では octopuses の方が普通になっているとのこと。これはちょっと残念。
2)語尾が[-a]から[-ae]に変わるもの
これもラテン語起源の単語。
「女子卒業生」を意味する alumna という単語はこの2のグループ。一方「男子卒業生」を意味する alumnus という単語はさきほどの1のグループ。
alumnus → alumni
並べてみるとおもしろい変化ですね。
3)語尾が[-um]から[-a]に変わるもの
これもまたラテン語起源の単語。
今やすっかり複数形の方がスタンダードとなり、単数形の datum は絶滅の危機に瀕しています。
4)語尾が[-is]から[-es]に変わるもの
語尾が[-is]から[-es]へ変化するのは、ギリシア語起源の単語。
発音は「アナリスィス」から「アナリスィーズ」に変わります。
5)語尾が[-on]から[-a]に変わるもの
これもギリシア語起源の単語。
さきほどの data と同じく複数形の criteria の方が通りがよいかもしれません。
6)語尾に[-im]を付けるもの
こちらは何とヘブライ語起源の単語。
kibbutz というのはヘブライ語で「集団」の意味。そこから派生してイスラエルの集団労働施設の呼称となりました。
他にこの変化を伴う「英単語」があるのかどうかは不明。
以上、今回はラテン語やギリシア語などの外国語に由来する単語(=外来語)の複数形をいくつか紹介してみました。
もとになった言語の複数形がそのまま残っているというのは、その単語の血統が保管されているということ。
いつかは[-s][-es]に吸収されてしまうのかもしれませんが、その日ができる限り先になることを望んでいます。
『ロイヤル英文法』
『Practical English Usage』

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7月 21, 2015 @ 20:58:03
6)語尾に[-im]を付けるもの
に、
“kibbutz → kibbutzim”の他にこの変化を伴う「英単語」があるのかどうかは不明、とありますが“cherub → cherubim”(ケルビム、智天使の意)が同様にヘブル語起源の英単語で在るようです。
語尾の-imは接尾辞として辞典に見当たりませんから、英語に入っている同様の単語は数少ないのかも知れませんね。
ご参考まで。
7月 22, 2015 @ 14:44:49
なるほど! そんな単語もあるんですね。
調べてみると、手持ちの辞書にもきちんとのっていました。
原形ではなく複数形が[-im]となると、辞書アプリの逆引きでは検索できないので、探すのも大変です。貴重な情報ありがとうございました。