ちょっと変わった複数形のレッスン(2)

14072801

昨日に続いて、複数形の不規則変化について。

ちょっと変わった複数形のレッスン(1) | Fragments

まずは昨日同様、それぞれの複数形を思い浮かべてみてください。

stimulus(刺激)
vertebra(脊椎骨)
datum(資料)
analysis(分析)
criterion(基準、尺度)
kibbutz(キブツ=イスラエルの集団労働施設)

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それでは正解を見てみましょう。

 

1)語尾が[-us]から[-i]に変わるもの

stimulus → stimul

語尾が[-us]から[-i]へ変化するのは、ラテン語起源の単語。

そしてこのグループで特に気に入っているのはこちらの単語。

octopus → octopi

「オクトパイ」という語感が好きなのですが、現在では octopuses の方が普通になっているとのこと。これはちょっと残念。

 

2)語尾が[-a]から[-ae]に変わるもの

vertebra → vertebrae

これもラテン語起源の単語。

「女子卒業生」を意味する alumna という単語はこの2のグループ。一方「男子卒業生」を意味する alumnus という単語はさきほどの1のグループ。

alumna → alumnae
alumnus → alumni

並べてみるとおもしろい変化ですね。

 

3)語尾が[-um]から[-a]に変わるもの

datum → data

これもまたラテン語起源の単語。

今やすっかり複数形の方がスタンダードとなり、単数形の datum は絶滅の危機に瀕しています。

 

4)語尾が[-is]から[-es]に変わるもの

analysis → analyses

語尾が[-is]から[-es]へ変化するのは、ギリシア語起源の単語。

発音は「アナリスィス」から「アナリスィーズ」に変わります。

 

5)語尾が[-on]から[-a]に変わるもの

criterion → criteria

これもギリシア語起源の単語。

さきほどの data と同じく複数形の criteria の方が通りがよいかもしれません。

 

6)語尾に[-im]を付けるもの

kibbutz → kibbutzim

こちらは何とヘブライ語起源の単語。

kibbutz というのはヘブライ語で「集団」の意味。そこから派生してイスラエルの集団労働施設の呼称となりました。

他にこの変化を伴う「英単語」があるのかどうかは不明。

 

以上、今回はラテン語やギリシア語などの外国語に由来する単語(=外来語)の複数形をいくつか紹介してみました。

もとになった言語の複数形がそのまま残っているというのは、その単語の血統が保管されているということ。

いつかは[-s][-es]に吸収されてしまうのかもしれませんが、その日ができる限り先になることを望んでいます。
 

<参考文献>
『ロイヤル英文法』
『Practical English Usage』
 
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