フィンランド語学習記 vol.224 − täytyy を使った文
Minun täytyy opiskella.(私は勉強しなければならない。)
*opiskella(勉強する)
*opiskella(勉強する)
täytyy(タウトゥー)は「〜しなければならない」という意味の動詞。英語の must や have to に当たる単語です。
この動詞を使った文はやや特殊な形になるので、以下にポイントをまとめておきたいと思います。
1)主語は属格の形になる
täytyy を使った文では、主語が属格[-n]の形になります。
[主格]minä(私は)
[属格]minun(私の)
[属格]minun(私の)
ただし例文を見る限り、minun を「私の」とは訳せないので、なぜ属格になるのかはわかりません。
Minun täytyy opiskella.(私は勉強しなければならない。)
とにかく属格になる!と覚えておきましょう。
2)動詞は三人称単数の形になる
täytyy というのは、実は三人称単数の形。
[辞書形]täytyä(〜しなければならない)
[三人称単数]täytyy(〜しなければならない)
[三人称単数]täytyy(〜しなければならない)
ただし例文を見る限り、主語は一人称なので、なぜ三人称になるのかはわかりません。
Minun täytyy opiskella.(私は勉強しなければならない。)
とにかく三人称単数になる!と覚えておきましょう。
*なお täytyy の後に続く動詞は、辞書形(第一不定詞)になります。
[辞書形]opiskella(勉強する)
3)もともと対格の目的語は主格の形になる
フィンランド語の目的語には、対格と分格という二つの形がありました。
[対格目的語]Minä ostan sanakirjan.(私は辞書を買う。)
[分格目的語]Minä ostan kahvia.(私はコーヒーを買う。)
[分格目的語]Minä ostan kahvia.(私はコーヒーを買う。)
大雑把にまとめると、一つ二つと数えられる名詞(可算名詞)は対格、数えられない名詞(不可算名詞)は分格になるというのが使い分けのルール。
この場合、辞書は一冊二冊と数えられますが、コーヒーはそのように数えられません。
[詳細はこちら]フィンランド語学習記 vol.112 − 目的語の格変化 | Fragments
täytyy を使った文では、このうち対格の目的語が主格の形に変わります。(肯定文の場合)
[主格目的語]Minun täytyy ostaa sanakirja.(私は辞書を買わなければならない。)
[分格目的語]Minun täytyy ostaa kahvia.(私はコーヒーを買わなければならない。)
[分格目的語]Minun täytyy ostaa kahvia.(私はコーヒーを買わなければならない。)
通常の文と täytyy の文、それぞれの目的語の形を比較してみましょう。
通常の文 | täytyy の文 | |
---|---|---|
sanakirjan (対格) |
→ | sanakirja (主格) |
kahvia (分格) |
→ | kahvia (分格) |
以上、täytyy を使った文のポイントを簡潔にまとめてみました。
理屈で割り切れないルールばかりなので、結局はそのまま覚えるしかなさそうです!
10月 11, 2019 @ 16:54:48
上記で
「täytyy を使った文では、このうち対格の目的語が主格の形に変わります。(肯定文の場合)」
とありますが、否定文の場合は、どのように扱えばよいでしょうか?
Vol. 251 で「täytyy」の否定形「ei tarvise」のご説明をいただいていますが、そちらには記載がなかったので、ちょっと気になっています。
10月 15, 2019 @ 01:12:08
Tapioさん
コメントありがとうございます。
否定文の場合は分格目的語を用いるのが原則なので、
Minun ei tarvitse ostaa uutta sanakirjaa.(私は新しい辞書を買わなくてもよい。)
のように目的語は分格の形になるはずです。