芭蕉 × Google 翻訳

Pond in Kenrokuen Garden

このブログでは、過去に何度か Google 翻訳についてのトピックを紹介してきました。

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飛躍的な進歩を遂げる機械翻訳の世界。

それでは近い未来に機械翻訳が人力翻訳を駆逐する未来が見えるのか?といえば、おそらくそんなことはないでしょう。

現状の技術ではどう頑張っても人力翻訳に及ばないように思える領域も存在します。

今回はそんな一例として、松尾芭蕉の有名な句を Google 翻訳で英訳してみました。

果たしてどこまで原文のニュアンスに迫れるでしょうか?

 

古池や蛙飛びこむ水の音

→ The sound of water jumping frog old pond and

これはかなりよくできているなという印象。

  • 古池 → old pond
  • 蛙飛びこむ → jumping frog
  • 水の音 → the sound of water

単語レベルの対応はOK。しかしそれぞれの文法的な関係が示されていません。

また最後の and はいったいどこから来たのでしょう??

 

五月雨をあつめて早し最上川

→ Hayashi, Mogami by gathering early summer rain

「早し」が最上川につられたのか固有名詞になってしまいました。

ではこれを「早い」最上川にすればきちんと訳せるのでは?と思いますが、やってみるとこれもよくわからない英文に。

→ Mogami and quick to collect the early summer rain

しかし「五月雨」を early summer rain と訳すセンスはさすがですね。

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声

→ Voice of cicadas Shimiiru to rock and the 閑

「しみ入る」を訳しきれなかったのが惜しいところ。

「閑さ」も漢字のまま残ってしまいました。ただし「閑さ」を「静かさ」に変えると次のような英文に。

→ Voice of cicadas Shimiiru to rock and quiet

単に「閑」という漢字がデータベースになかったということなのでしょう。

 

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

Dream Liaoning over 枯野 and sick on a journey

これはおそらく Google 翻訳にとって最高の難易度。

そもそも「旅に病んで」いる主体が誰なのか明示されていません。

「かけ廻る」という部分はたしかに訳しづらいですが、苦し紛れに Liaoning とはいったい何でしょう?

「枯野」もなぜか漢字のまま残ってしまいました。

 

以上、ちょっとしたお遊びですが、芭蕉の句を Google 翻訳で英訳してみました。

こうして見ると、人力翻訳のレベルにあと一歩のところまで来ているものもありますね。

今後の更なる進歩に期待しましょう。

 
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