英語に後置詞は存在するか? − フィンランド語との比較から
英語の品詞というのは、次の8つに分類するのが一般的。
- 名詞(noun)
- 代名詞(pronoun)
- 動詞(verb)
- 形容詞(adjective)
- 副詞(adverb)
- 前置詞(preposition)
- 接続詞(conjunction)
- 間投詞(interjection)
一昨日には、このうち前置詞(preposition)に関するエントリーを書きました。
英語の前置詞というのは、いったい全部でいくつあるのか? | Fragments
そしてその後、フィンランド語の本を読んでいるときに、
英語に後置詞(postposition)は存在するのだろうか?
という疑問が浮かんできました。
というのも、フィンランド語には前置詞と後置詞の両方が存在しています。後置詞の例としては、次のような単語が。
kaksi tuntia sitten(2時間前に)
*kaksi(2)、tunti(時間)、sitten(〜前に)
*kaksi(2)、tunti(時間)、sitten(〜前に)
sitten は「〜前に」を意味するフィンランド語の後置詞。
でもよく考えてみると、このフレーズは英語の two hours ago と全く同じ形。
フィン | kaksi | tuntia | sitten |
---|---|---|---|
英 | two | hours | ago |
ago は英語の品詞分類においては副詞ということになっています。
しかしフィンランド語の sitten を後置詞と呼ぶなら、英語の ago も後置詞と呼ぶことができるのではないでしょうか?
そんなことをふと思ったので、書き留めておきたいと思います。
12月 10, 2014 @ 11:14:54
考えさせる話題ですね。
高校の英語の授業で「この語は(文の中で)前置詞として使われているか?副詞として使われているか?」と問われて、よく間違えていたことを思い出しました。
この記事をみて、自分のフィンランド語の単語リストを見返してみました。多くの後置詞が副詞としても使えることがわかりました。しかし、たとえば「asti(…まで jhkとともに使う)のように後置詞としてしか使えない語もありました(Webxiconでpostpositionsとadverbの両方の記載があるかどうかを参考にしました)。
英語の場合は「後置詞としてしか使えない語」というのは存在しないでしょう。ご指摘のケースは、フィンランド語の立場で考えると「副詞を後置詞的に使っている」と解釈してはどうでしょうか(もちろん私見ですが)。
12月 11, 2014 @ 12:09:10
「前置詞として使われているか? 副詞として使われているか?」
そんな英語の授業があったんですね! 面白そうだけど、なかなかマニアックですね。
英語の ago というのは、なかなか特殊な単語で、単独では使えないという性質があります。(必ず 〜 ago という形になる)
他にそのような副詞があるのか?と探してみてもなかなか見つかりません。その意味ではどこか後置詞的な性質を持った副詞なのかなと思います。もちろん「前置詞・後置詞・副詞」をどう定義するかという問題にもよりますが。
12月 12, 2014 @ 10:43:37
私の高校時代というとだいぶ前になりますので、もうこういう質問はしないのかもしれません。今、思い出すとupやdownが問題の標的にされることが多かったような…
たとえば
① I put up the flag. 私は旗を揚げる。
② I live up the hill. 私は丘の上に住んでいる。(出典:大修館ジーニアス英和辞典)
のupは前置詞か副詞かという感じです。
この場合、①が副詞で②が前置詞なのですが、たしか英語の先生は「語順を替えて文として成り立つかを調べる」と言っていたような気がします(自信が無いのですが)。
①は I put the flag up. でも通じます(たぶん)が、②は I live the hill up.とはならないでしょう。
こんな感じです。
12月 14, 2014 @ 13:39:16
なるほど!「副詞」か「前置詞」かというのは、そういう使い分けのことだったんですね。わかりやすい例文をありがとうございます。
あまり意識したことはありませんでしたが、たしかに up には副詞と前置詞としての用法がありますね。その分類を後置詞に応用するとどうなるだろう?と考えてみたのですが、どうもよくわからず。何か思い付いたら、またブログに書いてみようと思います。
2月 22, 2015 @ 08:37:14
将来英語教師を目指している者ですが、これは素晴らしい発見だと思います。授業に生かさせていただきます 笑
3月 28, 2015 @ 01:03:08
ありがとうございます! 生徒の好奇心に応えられる素敵な英語の先生になってください!