フィンランド語学習記 vol.261 − poika と vaaka
フィンランド語で「少年」は poika(ポイカ)。
この poika を「少年の」という意味で使うときには、属格という形を作ります。
主格 | poika(少年) |
---|---|
属格 | ??(少年の) |
その作り方をもう一度おさらいしてみましょう。
1)属格の印[-n]を付ける
フィンランド語の属格は語尾に[-n]を付けて作ります。
poika
→ poikan
→ poikan
ポイカン!
2)[k, p, t]の変化により、語中の[k]が消える
単語の最後の音節に[k]が入っているときには、語形変化の際にその[k]が消えることがあります。
poikan
→ poian
→ poian
kpt 変化の詳細は下記のエントリーにまとめてあります。
フィンランド語学習記 vol.75 − kpt/子音階程交替
3)三重母音禁止のルールにより、語中の[i]が[j]に変化(!)
poian
→ pojan
→ pojan
[i]の下の部分がにょきっと伸びるイメージ。これはびっくり!
以上の手順により、poika の属格は pojan となります。
主格 | poika(少年) |
---|---|
属格 | pojan(少年の) |
以上を踏まえた上で、もう一つ別の単語を見てみましょう。
フィンランド語で「秤」は vaaka(ヴァーカ)。
(この語感もおもしろいのですが、それはまた別の話。)
この vaaka の属格はどのような形になるでしょうか?
主格 | vaaka(秤) |
---|---|
属格 | ??(秤の) |
こちらも先ほどの手順に沿って見ていきましょう。
1)属格の印[-n]を付ける
vaaka
→ vaakan
→ vaakan
2)[k, p, t]の変化により、語中の[k]が消える
vaakan
→ vaaan
→ vaaan
3)三重母音禁止のルールにより、単語の途中にアポストロフィを挿入(!)
vaaan
→ vaa’an
→ vaa’an
たしかにアポストロフィで区切れば三重にはなりませんが。。。これもびっくり!
最初に紹介した「poika → pojan」の変化から類推すると、「vaaka → vajan」になるのかな?と思ったのですが、そうはならないんですね。
よって、vaaka の属格は vaa’an となります。
主格 | vaaka(秤) |
---|---|
属格 | vaa’an(秤の) |
しかし vaaan を vaa’an と書いたところで、発音は同じなのでは?と思ったのですが、vaa’an の方はアポストロフィのところで一旦区切って発音するよう。
イメージとしては、
- vaaan(ヴァーーン)←ダメ
- vaa’an(ヴァーアン)
こんな感じでしょうか。
以上、ちょっと面白い poika と vaaka の語形変化のお話でした。