Linguistic Distance − 言語と言語の距離

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私たち日本語の母語話者にとって、英語を学ぶというのは決してやさしいことではありません。

しかしちょっと想像力を働かせてみれば、英語の母語話者にとって、日本語を学ぶというのは同じくらいあるいは更に難しいということに思い当たるのではないでしょうか。

その主要な理由は、二つの言語の間の「距離」にあります。

日本語と英語というのは、文字・単語・文法・発音のどれをとっても似ているところがありません。

しかも日本語を外国語として学ぶ場合には、漢字という高い壁が立ちはだかっています。

それだけに日本語の読み書きが上手な外国人に出会うと「すごい!」と思ってしまいますよね。

それでは英語の母語話者にとって比較的やさしい言語・難しい言語のリストを作るとしたらどのようになるのでしょう?

アメリカの国防総省語学研修所外国語センター(Defense Language Institute Foreign Language Center)では、外国語を英語の母語話者から見た難易度によって4つのカテゴリーに分けています。

*4が最も難しい。

カテゴリー1 スペイン語、フランス語、ポルトガル語
カテゴリー2 ドイツ語、インドネシア語
カテゴリー3 ダリー語、ペルシア語、ロシア語、ヒンディー語
ウルドゥー語、ヘブライ語、セルビア・クロアチア語
タガログ語、トルコ語
カテゴリー4 アラビア語、中国語、韓国語、日本語、パシュトー語

 

インドネシア語はやや異質ですが、カテゴリー1・2にはラテン文字のヨーロッパ系言語が並んでいます。

やはり言語を学ぶ上で文字の問題というのは大きいのでしょう。

だとすれば、逆に日本語から見たときカテゴリー1に当てはまる言語というのは存在しないような気もするのですが、それでも比較的学びやすい言語を選ぶとすれば、韓国語や中国語あたりになるのでしょうか。

フィンランド語はいったいどのあたりに位置するのか?というのも個人的には気になるところ。

日本語を左端、英語を右端に置いて、その間にフィンランド語を置いたら、どちらかというと日本語寄りになるような気もするのですが、果たしてどうでしょう?