共感力について

15021901

共感

(sympathyの訳語)他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること。同感。

「広辞苑 第五版」

「共感力」というのは、他の人が喜んでいるときに、まるで自分のことであるかのように喜んだり、他の人が悲しんでいるときに、まるで自分のことであるかのように悲しんだり。

そんな力であると思っていたのですが、最近、この共感力について改めて考える機会がありました。

そもそも、私たち人間というのは、本当の意味で他人の気持ちを理解することなどできるのでしょうか?

もし何らかの偶然によって気持ちがシンクロすることがあったとしても、それが毎回のように起こることなど有り得ないように思います。

よく他人の話に「わかるわかる」と返す人がいますが、本当の共感というのは、このように他人の感情に「同調」することではないはずです。

人の感じ方というのは千差万別。あらゆることに同調できるはずはありません。

そうではなくて、目の前にいる人が悲しんでいるときに「あなたは今、悲しい気持ちになっているんですね」と柔らかく受け止めてあげるということ。

そしてそのことを、良いとも悪いとも判断しないこと。励ましたり、アドバイスをしたりしないこと。

ただ無心に相手の感情を受け止める。

それだけで十分、共感を示したことになるのではないか? 心のさざ波が静まることもあるのではないか?

そんなことを考えました。