86

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86という数字について考えてみましょう。

  • 86は85と87の間の数である。
  • 86は偶数である。
  • 86は素因数分解すると2×43である。
  • …etc.

取り立てて目立ったところのない、この86という数字。

しかし英語では次のように動詞として使われることがあると知ってびっくり。

I would like a BLT, but please 86 the tomato.

The men were 86ed from the bar for fighting.

「Oxford Advanced American Dictionary」

「BLTサンドがほしいんだけど、トマトは86で。」

「男たちは喧嘩をして、バーから86された。」

この例文から86の意味は何となく想像できるのではないでしょうか。

86

to end or cancel something; to get rid of something or someone

「Oxford Advanced American Dictionary」

サンドイッチからトマトを取り除いたり、バーから男たちを追い出したりすることを86と呼んでいるんですね。

この用法は普通の英和辞典にものっています。

eighty-six

(くだけて)(レストランやバーで)<客>にサービスしない、<客>を追い出す

「ウィズダム英和辞典 第3版」

気になるのは、なぜ85や87ではなく86なのか?ということ。

これについては諸説あるようですが、「ランダムハウス英和大辞典」や「Merriam Webster dictionary」にのっているのは「断る」を意味する nix という動詞に由来するという説。

nix

to prevent sth from happening by saying ‘no’ to it

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

たしかに nix と eighty-six は韻を踏んでいますし、言葉遊びのように入れ替えて使った人がいたのかもしれません。

真偽のほどはわかりませんが、そんなことから新しい表現が生まれたのだとしたら、ちょっとほほえましい話だと思います。