あいまいな東京都

photo credit: DSCF6023 via photopin (license)

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「東京都」という文字をじーっと見つめていると、これはずいぶん不思議な地名だなあと思うことがあります。

まず東京都という単語の中には「東京」と「京都」という二つの地名が入っています。

よって東京都というのは「東京+都」と分けることもできますし、「東+京都」と分けることもできます。

もちろん東京都は「東京+都」と分けるのが常識とは思いますが、京都府の東側に住んでいる人にとっては、もしかしたら東京都というのは「ひがしきょうと」のことなのではないかと。

。。。と、そんなことはないかもしれませんが、もう一度「京都」の名前の由来から考えてみましょう。

そもそも京都の「京」というのは「みやこ」の意味であり、「都」ももちろん「みやこ」の意味です。

みやこ【都】

  1. 皇居(政府)の所在地。
  2. 「(大)都会」を美化した表現。

「新明解国語辞典 第七版」

つまり京都というのは「みやこ・みやこ」の意味なんですね。

そして東京という地名は「東のみやこ」という意味で名付けられています。

江戸が東京に改称されたのは明治元年の1868年ですが、東京都という行政区分は意外に新しく、第二次世界大戦中の1943年に「東京府」と「東京市」が統合して「東京都」が誕生しています。

ここに至って再び「都」が出現したため、東京都の中に「京都」が含まれてしまい、分節があいまいになっています。

橋下徹・大阪市長による大阪都構想が話題になっていますが、これがもし京都府だったら「京都都」、すなわち「みやこ・みやこ・みやこ」の意味になるところでした。

それはそれでおもしろい?