フィンランド語学習記 vol.282 − 黒い靴下

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人間の持つさまざまな感情の中でも特に厄介なのが、嫉妬の感情。
生きている限り、他人に全く嫉妬しないということは無理だとしても、自分の気持ちに上手に折り合いをつけていきたいもの。
そんな嫉妬に関する表現がフィンランド語教室のテキストに出てきました。
Jussi oli hyvin mustasukkainen.(ユッシはとても嫉妬深かった。)
*mustasukkainen(嫉妬深い)
*mustasukkainen(嫉妬深い)
先生曰く、この mustasukkainen という単語はもともと「黒い靴下」という意味なのだそう。
フィン | 日 |
---|---|
musta | 黒い |
sukka | 靴下 |
では、なぜ黒い靴下が「嫉妬深い」という意味になるのでしょう?
Wiktionary にはこんな説明が出ていました。
Mistranslation of Swedish svartsjuka (“jealousness”), which would literally translate into “black sickness”; musta (“black”) + -sukkainen (“-socked”).
「Wiktionary」
整理すると、
1)スウェーデン語で「嫉妬」を意味する svartsjuka という単語があり、
2)文字通りに訳せば「黒い病気」を意味する。
3)それがフィンランド語に入ってきたときに、どういうわけか「黒い靴下」を意味する mustasukkainen になってしまった。
この誤訳の理由は音が似ているということなのでしょうか?
それにしても「黒い病気」という重々しい表現が、いつのまにか「黒い靴下」になってしまったというのは、何だかユーモラスな話ですね。