フィンランド語学習記 vol.284 − 話し言葉の私

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フィンランド語のポップソングを聞いていると、やはり教室で習っている言葉とは違う「話し言葉」が多く使われていることに気が付きます。

例えば、以前のエントリーで紹介したフィンランドのシンガーソングライター Sanni さんの曲に「Jos mä oon oikee」「Sotke mut」というタイトルの曲があります。

これらに含まれている mä / mut というのはどちらもフィンランド語の一人称代名詞。

しかしこれらの変化形は標準形の格変化一覧の中には出てきません。

以下に標準形の格変化と話し言葉の格変化を比較してみましょう。

標準形 話し言葉
主格 minä
属格 minun mun
分格 minua mua
対格 minut mut
内格 minussa mussa
出格 minusta musta
入格 minuun muhun
接格 minulla mulla
離格 minulta multa
向格 minulle mulle
様格 minuna muna
変格 minuksi muksi / muks

 

こうしてみると「標準→話し言葉」の変化では、どれも中程の[-in-]の部分が抜けてぎゅっと詰まっているのがわかります。

確かに日常会話でもっともよく使う代名詞ですから、短くできるならそれに越したことはないのでしょう。

日本語なら Boku が Bu、Watashi が Wi になっているような感覚でしょうか?