仝(どう)

15042301

iPhoneで「々」という字を入力しようとしたら「仝」という字が変換候補に出てきました。

一瞬、全体の「全」かと思いましたが、よく見ると「王」の部分が「工」になっています。

この文字は何だろう?と思って『漢字源』を調べてみたものの、のっていません。

次に Wikipedia を見てみると、こんな説明がのっていました。

仝(どう)は文字のひとつであり、特殊な漢字である。「同」の「古字」とされる。一般に、繰り返しを表す記号として用いられ「同上記号」という。

Wikipedia「仝」より

日常最も使われている繰り返し符号は、おそらく「々」でしょう。

しかし「々」が漢字ではないのに対して、「仝」はれっきとした漢字。

これらの文字の成り立ちについては「同→仝→々」と変化したという説もあるようです。

繰り返し符号には、この他にも「〻」(二の字点)、「ゝ」(一の字点)、「〵〳」(くの字点)など、さまざまな文字が存在します。

ただ「仝」という文字は見たことがなかったので、ちょっと新鮮な感じでした。

ところでこの文字が実際に使われている例はあるのでしょうか?

調べてみると、一つは人名で、例えば中国唐代の詩人に盧仝(ろどう)という人がいたとのこと。

もう一つは堅めの書類などで、「同上」を「仝上」と書くことがあるのだとか。

書類を読んでいて突然「仝上」という文字が出てきたら、一瞬「??」と思ってしまいそうですね。