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とりま?

フィンランド語であれ、英語であれ、日本語であれ、わからない単語があったら辞書を引くことにしています。

しかしもちろんすべての言葉が辞書に出ている訳ではありません。

この前、職場のアルバイトの子が使っているのを聞いて「??」と思ったのが「とりま」という言葉。

こっそり辞書を調べたものの、手持ちの辞書にそれらしい言葉は出ていません。見つかったのはこれだけでした。

トリマー(名)〔trimmer= トリミングをする人〕

犬の理髪師。

「三省堂国語辞典 第七版」

改めてネットで調べてみると、「とりま」というのは「とりあえず、まあ」を意味するスラングなのだそう。

普通は知らない言葉でも文脈からなんとなく意味を想像できるものですが、この「とりま」に関しては正直全く想像が及びませんでした。「そうだったのか!」という感じです。

三国風に書いてみるとこんな感じでしょうか。

とりま

〔俗〕←とりあえず、まあ

「ー、6時集合ね」

「三省堂国語辞典風」

ネットで見つけた説明によれば、結構古くからある言い回しで、最近はむしろ下火になりつつあるとのこと。

それにしても今でこそこういう言葉をネットで調べることができますが、ネットのなかった時代にはどうしていたのだろう?と思ってしまいます。

当然辞書には出ていませんし、やはりその言葉を使った当人に聞くのが一番なのでしょう。ただ年をとってくるとなかなかそれができないんですよね。

フィンランド語学習記 vol.817 − tavattavissa

以前使っていたフィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi』を久しぶりに読み返していたら次の文が目にとまりました。

Onkohan Heli Nieminen tavattavissa?

ヘリ・ニエミネンさんはお手すきですか?

「suomea suomeksi」P.99

このときは tavattavissa という単語を「会うことができる」という意味で習った記憶がありますが、今の目で眺めてみるとこれは動詞 tavata の受動現在分詞 tavattava の複数内格であることがわかります。

動詞 tavata を分詞ボックスに入れてみるとこんな感じに。

タイプ4 tavata(会う)

能動 受動
現在分詞 tapaava tavattava
過去分詞 tavannut tavattu

 

参考:フィンランド語学習記 vol.779 − 分詞ボックス

この tavattavissa はよく使われる表現ということで、そのまま辞書の見出し語にもなっていました。

tavattavissa[タヴァッタヴィッサ]

会うことができる、電話に出ることができる:

Onko Emma tavattavissa?
エンマはいらっしゃいますか?

「パスポート初級フィンランド語辞典」

それにしてもなぜこの形で「〜できる」という意味になるのでしょう?

文法書をめくってみると、次のような説明を見つけました。

受動現在分詞 tehtävä の複数内格 tehtävissä は動詞 olla と結びついて「〜できる」といった可能性を表すことができます。

Tietokone on helposti korjattavissa.
コンピュータは簡単に(helposti)修理できる。

tavata「会う」からできた tavattavissa はしばしば使われます。

Onko hän tavattavissa?
彼女に会うことはできますか。

「フィンランド語文法ハンドブック」P.282

なるほど。tavattavissa だけではなく korjattavissa のように他の動詞でもこの形を使うことがあるんですね。

ただコンピュータは一台なのに複数形を使うというのはちょっと不思議なところ。このあたりは慣用表現として覚えてしまった方が良いのでしょう。

フィンランド語学習記 vol.816 − vartalo

フィンランド語の理解に欠かせないのが名詞や形容詞の「語幹」という概念です。

フィンランド語の特徴である豊かな格変化の大半はまず語幹を求めるところからスタートし、その語幹に様々な語尾をくっつけます。

そんな「語幹」はフィンランド語では何と言うのでしょう? 辞書をパラパラとめくっていたら偶然に見つけました。

vartalo[ヴァルタロ]

①胴体、体:

Hänellä on lihaksikas vartalo.
彼女は筋肉隆々とした体をしている。

②⦅文法⦆語幹:

Sanan vartaloon liittyy päätteitä.
語の語幹に語尾が結びつく。

「パスポート初級フィンランド語辞典」

フィンランド語で「語幹」は vartalo。上記のとおり、もとは「胴体」を意味する単語です。

植物のアナロジーである日本語に対して、動物のアナロジーであるフィンランド語。

言葉が違えば表現も変わる、そのちょっとした違いが面白いです。

 

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フィンランド語学習記 vol.815 − e 型の名詞の作り方

昨日のエントリーで扱ったフィンランド語の動詞から名詞を作る手順の続きです。

toivoa(望む) toive(望み)
lyhentää(短くする、短縮する) lyhenne(略語)
katsoa(見る) katse(視線、目つき)

 

テキストには動詞から名詞を求める次のような式が紹介されていました。

verbi e substantiivi
toiv- e toive
toivon

 

これによると動詞から名詞を作る手順は、

  1. 動詞の一人称単数形を求める。
  2. 語尾の[-Vn]を外す。
  3. 語尾に[-e]を付ける。

以上の3ステップ。

昨日取り上げた u/y 型の名詞では動詞の三人称複数形がベースでしたが、e 型の名詞では一人称単数形がベースになっています。

派生語の作り方にもさまざまなパターンがあるんですね。

フィンランド語学習記 vol.814 − u/y 型の名詞の作り方

以前のエントリーでフィンランド語の動詞から名詞を作る方法を紹介しました。

フィンランド語学習記 vol.791 − us/ys 型の名詞の作り方
フィンランド語学習記 vol.792 − mus/mys 型の名詞の作り方

フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari 4』を読み進めていくと、また別のパターンが出ていたので紹介してみます。今回出ていたのはこんなパターン。

palvella(サービスする) palvelu(サービス)
käsitellä(扱う) käsittely(扱うこと、処理)
kylpeä(入浴する) kylpy(入浴)

 

テキストには動詞から名詞を求める次のような式が紹介されていました。

verbi u/y substantiivi
palvel- u palvelu
palvelevat

 

これによると動詞から名詞を作る手順は、

  1. 動詞の三人称複数形を求める。
  2. 語尾の[-evAt]を外す。
  3. 語尾に[-u/-y]を付ける。

以上の3ステップ。

ただし palvelu(サービス)と kylpy(入浴)の場合は動詞より名詞を先に覚えたので、palvella(サービスする)と kylpeä(入浴する)という動詞を見たときには「なるほどこんな動詞もあったのか!」という印象でした。

明日はまたもう一つ別のパターンを紹介してみます。

フィンランド語学習記 vol.813 − 親知らず

viisas[ヴィーサス]

賢い、賢明な

viisaudenhammas
⦅歯⦆親知らず

「パスポート初級フィンランド語辞典」

フィンランド語で「親知らず」は viisaudenhammas。直訳すれば「賢い歯」ということになります。

これを見て英語にも同様の表現があったはずと思い調べてみると、こんな見出し語が見つかりました。

wisdom tooth

any of the four large teeth at the back of the mouth that do not grow until you are an adult

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

日本語では「親知らず」という名称が一般的ですが、viisaudenhammas / wisdom tooth に類する「知恵歯」という表現もあるようです。日国に両者の言葉の由来が出ていました。

おやしらずば【親不知歯】

〘名〙ヒトの三二本の歯のうち、最も遅く生える上下左右四本の歯。二〇~二五歳ごろに生えるので、昔は親と死別していることが多いところから、この名がある。第三大臼歯。知歯ちし。親知らず。

「精選版 日本国語大辞典」

ちえば【知恵歯】

〘名〙親不知歯おやしらずばのこと。成人し知恵がついてからはえるところからいう。第三大臼歯。知歯ちし

「精選版 日本国語大辞典」

こうして並べてみると「親知らず」は日本的、「知恵歯」は西洋的な表現なのかなという気もします。「親知らず」はおそらく日本語独特の表現なのでしょう。

さらに世界の言葉を探してみれば、「へえー、こんな呼び名があるんだ」と驚くような独特な呼称が見つかるのかもしれません。

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