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『声に出して読みづらいロシア人』松樟太郎著

photo credit: dscn0683.big via photopin (license)

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松樟太郎さんの『声に出して読みづらいロシア人』(ミシマ社)という本を読みました。

政治・芸術など、さまざまなジャンルで活躍したロシア人を紹介する本なのですが、その選定基準は基本的に名前の響きが面白いかどうかという一点のみ。

軍人のポチョムキン、元首相のチェルノムィルジン、作曲家のラフマニノフなどの名前の響きを楽しんだり、

ロケットの父と呼ばれたコンスタンチン・エドゥアルドヴィチ・ツィオルコフスキー、チェリストのムスティフラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ、作家のミハイル・エヴグラフォヴィチ・サルトゥイコフ=シチェドリンなどの名前の長さにびっくりしたり、

要はロシア人の名前で遊んでしまおうという一冊。

ロシア語には全然詳しくないけど、ロシア人の名前って、何だか怪しげで魅力的な響きがあるよなあと思っていた自分のような人におすすめの一冊。

構成は一人につき見開き2ページで、名前だけではなく、それぞれの人物の略歴も紹介されているため、著名なロシア人の見本市としても楽しむことができます。

これまでにありそうでなかったユニークな切り口の本だと思います。

 

声に出して読みづらいロシア人 (コーヒーと一冊)
松樟太郎
ミシマ社
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ある仕事論 −『本屋になりたい』を読む

先日読んだ宇田智子さんの『本屋になりたい:この島の本を売る』という本を紹介したいと思います。

本屋になりたい: この島の本を売る (ちくまプリマー新書)

二年前に観光で石垣島に行ったとき、地元の書店で宇田さんの処女作『那覇の市場で古本屋 ー ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』という本をたまたま購入して読み「これは面白い!」と思って、次の本を楽しみにしていました。

宇田さんは、沖縄・那覇国際通り近くの第一牧志公設市場の前で「市場の古本屋ウララ」という古本屋さんを営んでいる方。

本書では、そんな宇田さんの日常が綴られています。

序章 古本屋、始めました

一章 本を仕入れる

二章 本を売る

三章 古本屋のバックヤード

四章 店番中のひとりごと

五章 町の本を町で売る

普通に考えれば、本書は書店の仕事に興味がある人に読んでもらいたい本ということになるのかもしれません。

しかし読み進めながら思ったのは、これは書店で働く人だけではなく、その他の仕事に携わる人にも当てはまる一種の仕事論になっているということ。

宇田さんは新卒で書店への就職活動をした際、履歴書の志望動機の欄に「何かしたいと思っている人を、本を売ることで応援したい」と書いたそうです。

古書店の仕事というのは、おそらく他の多くの仕事と同じように、地道な作業が大半を占めるのだと思います。

本を仕入れる。重い本を運ぶ。値段を付ける。本をきれいにする。棚に並べる。本を売る。本を送る。そして絶え間ない本棚の整理。etc.

そんな一つ一つの仕事を、無理をする訳でもなく、手を抜く訳でもなく、淡々とこなしていくということ。

しかしそこには一本筋の通った自分なりの思いや哲学が流れているということ。

どんな仕事であっても、そこにきちんと向き合おうとすれば、自分自身のあり方が問われる瞬間があるということ。

本や書店に興味のある人だけではなく「仕事って何だろう?」とか「人はなぜ働くんだろう?」といった根源的な疑問に立ち止まってしまった人にもぜひ読んでほしい一冊です。

 

本屋になりたい: この島の本を売る (ちくまプリマー新書)
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那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々
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『太宰治の辞書』北村薫著

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17年ぶりの再会。北村薫さんの新刊『太宰治の辞書』を読みました。

太宰治の辞書

これはデビュー作の『空飛ぶ馬』から始まった円紫さんシリーズの6作目。

  • 『空飛ぶ馬』
  • 『夜の蝉』
  • 『秋の花』
  • 『六の宮の姫君』
  • 『朝霧』
  • 『太宰治の辞書』

円紫さんシリーズというのは、主人公の女子大生「私」が落語家の春桜亭円紫さんを探偵役に様々な「日常の謎」を解いていく推理小説のシリーズ。

調べてみると、前作の『朝霧』が1998年に出ているので、なんと17年ぶり(!)のシリーズ新刊ということになります。

まさか新刊が出るとは思っていなかったので、最初に書店で見かけたときには本当にびっくりしました。

さっそく購入したものの、一気に読んでしまうのはもったいないので、ゴールデンウィーク休みに一行一行味わいながらゆっくりと読み進めていきました。

懐かしい登場人物と懐かしい世界観。

登場人物たちは、17年のブランクをそのまま反映し、それぞれ年を取っています。フィクションなので、前作のすぐ後を描くこともできたのでしょうが、読んでみるとこれで良かったんだろうと思いました。

本書は「花火」「女生徒」「太宰治の辞書」というタイトルの三つの短編からなっています。内容は4作目の『六の宮の姫君』と同様、芥川龍之介の「舞踏会」、太宰治の「女生徒」といった文学作品を巡るミステリー。

前作まで物語の鍵を握っていた探偵役の円紫さんは、本書では三つ目の短編「太宰治の辞書」にのみ登場し、主人公に一つの謎を与えますが、それ以上の役割は与えられていません。成長した主人公の「私」は独力でさまざまな謎に向き合っていきます。

よくある推理小説のように派手な事件は起こりませんが、緻密な構成とディテールにぐいぐいと引き込まれます。

本作を読んでから、北村作品の魅力とは何だろう?と改めて考えていました。

もちろん人によって挙げるポイントは異なると思いますが、自分にとって何よりも魅力的なのは登場人物たちのたたずまい。

本シリーズに限らず、北村作品には一日一日を丁寧に生きている人たちが登場します。そんな彼らの息づかいに触れて、この世界の豊かさ・面白さを再認識できるというのが何よりの北村作品の魅力なのではないでしょうか。

何よりも「本が好きな人」、そして「本が好きな人を好きな人」におすすめの一冊です。

 

太宰治の辞書
太宰治の辞書

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北村 薫
新潮社
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『グレープフルーツ・ジュース』オノ・ヨーコ

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世界中のすべての時計を二秒ずつ早めなさい。

誰にも気づかれないように。

(Make all the clocks in the world fast by two seconds without letting anyone know about it.)

オノ・ヨーコ『グレープフルーツ・ジュース』より

久しぶりに、オノ・ヨーコさんの『グレープフルーツ・ジュース』という詩集を読み返しました。

この詩集の初版はオノ・ヨーコさんが、まだジョン・レノンと出会う前の1964年に出版したもの。

手元にあるのは、その初版を編集し、さまざまな写真家によるモノクロームの写真を添えた1993年の再発版。

冒頭に紹介した一節のように、全てが命令形で書かれたこの詩集はジョン・レノンの「イマジン」のインスピレーションの源となりました。

思い返してみると、最初にこの詩集に出会ったのは高校生の頃。

あの頃、この本を読みながらどんなことを考えていたのか、思い出そうとしてみるものの全く思い出せません。

今、改めて読んでみると、すっと通り過ぎるページとはっと立ち止まるページがあって、そういった感受性というのは年とともに変化しているのだろうと思いました。

はっと立ち止まるページというのは、この世界の新しい見方を教えてくれるものであったり、何か新しいことをやってみようという気持ちを後押ししてくれるものであったり。

いずれにしても、新しい年の初めに読むのにふさわしい一冊なのかなと思います。

立ちつくしなさい。

夕暮れの光の中に。

あなたが透明になってしまうまで。

じゃなければ

あなたが眠りに落ちてしまうまで。

(Stand in the evening light until you become transparent or until you fall asleep.)

 

グレープフルーツ・ジュース (講談社文庫)
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『ウクライナから愛をこめて』オリガ・ホメンコ著

By Ickis (own work based on File:Coat of arms of Kiev.svg) [Public domain], via Wikimedia Commons

By Ickis (own work based on File:Coat of arms of Kiev.svg) [Public domain], via Wikimedia Commons

考えてみると、ウクライナという国について知っていることはそれほど多くありません。

それでも書店でこの本を見たときに何となく惹かれるものを感じ、購入してみました。

ウクライナから愛をこめて

本書はウクライナの首都キエフ出身で、東京大学に留学していたこともあるという、オリガ・ホメンコさんという方が日本語で書いたエッセイ。(翻訳ではありません!)

ここで描かれるのは、著者が少女時代に出会った市井の人々の記憶。

白血病で亡くなった女の子、戦争で離れ離れになってしまった恋人たち。

繊細な筆致でそれぞれの人生に思いを馳せていきます。

ある女性は、子供の時に訪れた先生の家の食卓に、当時は贅沢だった白パンが並んでいるのを見て、国語の先生になりました。

またある男性は、子供の頃の夢だったパイロットになる夢を叶えられず、出版社に勤めることになりました。

そんな二人が実は。。。という構成も見事。

それから特にいいなあと思ったのは、いつも糊の利いたパリパリの白衣を着ている老医師の話。

「なんでそんな服を着ているんだろう?」 その答えは彼が子供の頃、医師を志すきっかけになったある忘れられない出来事に結びついていました。

そんな一つ一つのエピソードが、どれも魅力的でかけがえのないものに感じられます。

ちょっとありきたりな言い方になってしまうかもしれませんが、あなたの身近にいるどんな人にもその人が辿ってきた歴史があるということを改めて思い出せてくれる素敵なエッセイです。

自分のようにウクライナのことをあまり知らない人にも、ぜひ手に取ってもらえたらと思います。
 

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今すぐに英語を話せる人になる − from『ずるいえいご』

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時折「どうやったら英語を話せるようになりますか?」と聞かれることがあります。

そんなときの定番の答えは、

「もう話せますよ」

というもの。

聞いた方は一瞬はぐらかされたような気持ちになるかもしれません。

しかしこれは偽らざる本音。

中学・高校で一通り英語を習ってきた人なら、簡単な挨拶や自己紹介くらいはできるでしょう。

Nice to meet you.
I’m XX. I’m from Japan.

そんなのは話せて当たり前!と思うかもしれません。

でも、上記のフレーズをポルトガル語やオランダ語で言える人はなかなかいないはず。

それだけに私たち日本人は英語を話すことに関して大きなアドバンテージを持っています。

よって「どうやったら英語を話せるようになるのか?」と考えるより、「もう話せる!」と宣言することをスタート地点にしてしまいましょう。

もちろんそんなことを言っても「とっさに英語が口を付いて出て来ない」「だから困っているのに!」という人もいるでしょう。

そんな人におすすめなのが、本日紹介する『ずるいえいご』です。

ずるいえいご

本書では著者の青木ゆかさんが、手持ちの英語力を使ってコミュニケーションをはかるための具体的な方法を紹介しています。

英語の学習法を紹介する本は数多くありますが、本書のように手持ちの英語力で何とかしようという発想はこれまであまりなかったのではないでしょうか。

本書の目次は次のとおり。

  • Part 1 話せることを知る「6つの心構え」
  • Part 2 言い換えの原則「4大柱」
  • Part 3 魔法のボックス − 言い換えトレーニング編
  • Part 4 魔法のボックス − 応用編

Part 1、Part 2 で基本的な考え方を学び、Part 3、Part 4 で実践するという構成になっています。

今回は個人的に最も「なるほど!」と思った言い換えの原則「4大柱」を簡単に紹介してみたいと思います。

4大柱というのは次のとおり。

  • 8割すてる
  • 大人語をすてる
  • 直訳をすてる
  • 抽象語をすてる

 

8割すてる

例えば、次の内容を英語で伝えたいとします。

海沿いのカフェで、お昼にシナモンロールとジャムパンをいただきました。

しかし「海沿い?」「シナモンロール?」と頭の中がぐるぐる回ってしまい全く言葉が出て来ない。そんなことってありますよね。

そんなときには、まず中心となる2割の情報だけでも伝えてみましょう。

I had some bread for lunch.

?? 海沿いのカフェやシナモンロールはどこへ行ったんだーと思われたかもしれません。

でも黙っているより、これだけでも伝えてみれば、相手の方から

Where?
What kind of bread?

と聞いてくれるかもしれません。そうしたら、

Near the sea
Sweet

などと少しずつ情報を付け足していけばよいのです。

まずは言いたいことの2割だけでもよいので、核になる情報を伝えてみましょう。

 

大人語をすてる

フェリーで船酔いしました。

「船酔い」という単語がわからない!

そんなときには、小さな子供に説明するように話してみましょう。

船に乗ったことがない、そもそも船酔いという概念を知らない子供に「船酔い」を伝えるとしたら、何と言うでしょうか?

I became sick on a ferry.

船の上で気分が悪かったということが伝われば、それで十分。

もちろん相手が大人なら、船酔いと察してくれることでしょう。

 

直訳をすてる

ヘルシンキの大聖堂を見学しました。

「大聖堂」という単語がわからない!

そんなときには、いったん大聖堂のイメージをありありと思い浮かべてみましょう。

I went to a church. It was so big.

これだけでもある程度のイメージは伝わるのではないでしょうか。

 

抽象語をすてる

シベリウスの生家を訪れました。

「生家」という単語がわからない!

そんなときには、そもそも生家というのはどんな場所なのか考えてみましょう。

I visited a house. Sibelius was born there.

これだけでも必要にして十分な情報が含まれていると思います。

 

以上『ずるいえいご』より、言い換えの原則「4大柱」を自分なりの例文とともに紹介してみました。

本書にはこの原則を使って取り組むことができる練習問題もたくさん収録されています。

「英語を話したい!」「○○語を話したい!」と思っている人に、勇気と励ましを与えてくれる素晴らしい一冊。

ぜひ手に取ってみてください。

 

ずるいえいご
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日本経済新聞出版社
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