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言語を比較する

カチューシャ、アリス

女性用ヘアバンドの「カチューシャ」というのは何となくロシア語っぽい響き。

本当にロシア語なのか真相を探るため、辞書を引いてみました。

カチューシャ(名)〔Katyusha= もと、商標名。トルストイの小説「復活」の女主人公の名から〕

弾力性を持たせた、アーチ形の細長いヘアバンド。布をかぶせたものやプラスチック製のものがある。

「三省堂国語辞典 第七版」

ロシア語と言えばロシア語なのかもしれませんが、いわゆる普通名詞ではなく女性の名前から来ているんですね。

ただしこのカチューシャというのは日本独特の呼称。英語ではこんな名前で呼ばれているようです。

Alice band

NOUN

A flexible band worn by women and girls to hold back the hair.

Oxford Dictionaries

これは「不思議の国のアリス」の主人公アリスがこのヘアバンドをしていることに由来する名称。

日本語でも英語でも女性の名前が付いているというのは面白い偶然の一致です。

もしかしたら他の言語にも女性名を冠した呼び名があるのでしょうか?

ヨーグルトの日

今日5月15日はヨーグルトの日。

ヨーグルトの研究で知られるロシアの生物学者イリヤ・メチニコフの誕生日なのだそうです。

メチニコフ

(Il’ja Il’ič Mječnikov イリヤ=イリイチー)

ロシア生まれの生物学者。フランスに帰化。食細胞現象を発見、細菌学に貢献。免疫の食細胞説を唱えた。一九〇八年ノーベル生理学・医学賞受賞。(一八四五 – 一九一六)

「精選版 日本国語大辞典」

ヨーグルトはこのメチニコフによってヨーロッパに広められたとのこと。

ヨーグルト(名)〔yogurt〕

牛乳・ヤギの乳などに乳酸菌を入れて、ゆるくかたまらせたもの。味は、ややすっぱい。

「三省堂国語辞典 第七版」

初めから砂糖の入ったヨーグルトを食べ慣れている人は、すっぱいという記述自体に違和感を覚えるかもしれません。そのあたりの感覚も時代とともに変化していくものでしょうか。

また世界の言葉で「ヨーグルト」を何と言うのか『13か国語でわかるネーミング辞典』で調べてみました。

ヨーガト yoghurt
ヤウール yaourt
ヨーグルト Joghurt
ヨーグルト yogurt
西 ジョグール yogur
ヨグルテ iogurte
ヨホルトゥ yoghurt
ヤウルティ γιαουρτι
プラスタクヴァーシャ простокваша
スワンナイ 酸奶
ヨグルト 요구르트
ラバン لبن

 

ヨーロッパの言葉はどれもヨーグルトによく似ています。

こうなると気になるのはヨーグルトってもともとは何語なのだろう?ということ。

外来語の起源を調べたいときはこの辞書が便利です。

ヨーグルト

〔yogurt=もと、トルコ語〕

牛乳・ヤギの乳などに 乳酸菌を 作用させた、クリーム状の食品。

「新明解国語辞典 第七版」

ヨーグルトというのはもともとトルコ語なんですね。

ヨーグルトと言えばブルガリアのイメージ。ただトルコはブルガリアの隣国なので、遠からずというところでしょうか。

トルコ語の食べ物といえば真っ先に思い浮かぶのはやはりケバブ。ヨーグルト=トルコというのは意識したことがなかったですね。

 

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虹の構造

フィンランド語で「虹」は sateenkaari(サテーンカーリ)。

sateen は「雨」を意味する名詞 sade の属格の形。

kaari は「アーチ」を意味する名詞。

そうか、フィンランド語では虹を「雨のアーチ」と表現するんだ!

。。。と思ったのですが、改めて考えてみると英語の rainbow やフランス語の arc-en-ciel も同じ構造。取り立ててフィンランド語の表現が目新しい訳ではありません。

それにもかかわらず、雨のアーチという表現を目新しく思ったのはなぜなのか?

その理由を考えてみたところ、それはおそらく rainbow という言葉があまりにも馴染みのある言葉になっているからなのだろうという結論に至りました。

rainbow という言葉を使う際、それが rain と bow の複合語であるという事実を意識している人は少ないでしょう。私も含めた多くの人は rainbow をあくまでも rainbow というひとまとまりの単語として認識しているのだと思います。

それならばフィンランド語の達人になれば、sateenkaari を sade と kaari に分けて考えることもなく、sateenkaari というひとまとまりの単語として認識するようになるのでしょうか?

結局はその単語との接触頻度がどれだけ高いかという点が鍵を握っているような気がします。調べてみれば、そのあたりを検証した研究があるのかもしれません。

足を引っ張る

足を引っ張る 句

①他人の成功や集団の活動のじゃまをする。

②順調な進行のじゃまをする。

「円安が業績のー」

「三省堂国語辞典 第七版」

「足を引っ張る」は日本語の一般的なイディオム。

それでは Don’t pull my leg. という英語のフレーズはどんな意味になるでしょう?

つい「足を引っ張らないで」という意味を連想してしまいますが、実際は次のような意味になります。

pull someone’s leg

PHRASE

Deceive someone playfully; tease someone.

Oxford Dictionaries

pull someone’s leg は「からかう」を意味するイディオム。

つまりさきほどの Don’t pull my leg. というフレーズは「からかわないで」という意味だったんですね。

このように日本語と英語で表現は同じなのに意味が異なるペアは紛らわしいもの。

日本語ネイティブの感覚では「なぜ足を引っ張るがからかうの意味になるの?」と感じますし、英語ネイティブの感覚では「なぜ足を引っ張るがじゃまをするの意味になるの?」と感じるのでしょう。

ある意味、学習者泣かせの表現と言えそうです。

春のイメージ

気がつけば、すっかり春。

花粉さえ飛んでいなければ自転車でツーリングに行きたいところですが、もう一か月くらいは我慢しなければなりません。

「春」は英語で spring、フランス語で printemps(プランタン)、イタリア語で primavera(プリマヴェーラ)。知っている単語にはどれも p の音が入っています。

破裂音の p には春のイメージがあるのでしょうか?

『13か国語でわかるネーミング辞典』で、他の言語についても調べてみました。

スプリング spring
プランタン printemps
フリューリング Frühling
プリマヴェーラ primavera
西 プリマベーラ primavera
プリマヴェーラ primavera
レンテ lente
ウェール ver
エアル εαρ
ヴィスナー весна
チュンティエン 春天
ボム
ラビーゥ ربيع

 

調べてみると、どの単語にも p の音が入っている。。。ということはありませんでした。

ただ何となく明るい印象のことばが多いかなと思うのは、単なる先入観でしょうか?

個人的にはオランダ語の lente(レンテ)という単語の響きが好きです。

なおラテン語の ver はひとりぼっちのようですが、英語の語彙にこんな形で入り込んでいます。

vernal [və́ːrnl]

adj.

1 春の

vernal sunshine
春の日差し

4 ⦅詩語⦆青春の、若々しい

vernal years
青春時代

語源

1534.<ラテン語 vernālis〔vernus「春の」(vēr「春」より)の派生語〕
vernally adv.

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

「春分」は英語で vernal equinox。まもなくやって来る「春分の日」は Vernal Equinox Day。一年に一度、vernal という形容詞のことを思い出す日でもあります。

 

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北欧のチョコレート

バレンタインデーの今日は北欧やバルトの言葉で「チョコレート」を何と言うのか調べてみました。

アイスランド語 súkkulaði
スウェーデン語 choklad
デンマーク語 chokolade
ノルウェー語 sjokolade
フィンランド語 suklaa
エストニア語 šokolaad
ラトビア語 šokolāde
リトアニア語 šokoladas

 

北欧の中では仲間外れになりがちなフィンランド語ですが、今回の suklaa は周辺国の言葉によく似ています。

互いの関係性を確認するため、Wiktionary でそれぞれの語源を調べてみました。

アイスランド語 súkkulaði デンマーク語の chokolade より
スウェーデン語 choklad
デンマーク語 chokolade スペイン語の chocolate より
ノルウェー語 sjokolade スペイン語の chocolate より
フィンランド語 suklaa スウェーデン語の choklad より
エストニア語 šokolaad
ラトビア語 šokolāde
リトアニア語 šokoladas

 

断片的な情報ですが、こうして見ると各国のチョコレートはスペイン語から伝わった言葉であることがわかります。

またスペイン語の chocolate は現在のメキシコの地に住んでいたアステカ民族の古典ナワトル語に由来するという説が有力なようです。

古典ナワトル語からスペイン語、そして世界の言語へ。

今や世界で知らない人のいないチョコレートという言葉には壮大な旅の軌跡があるんですね。

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