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英語

「人間ドック」は英語で何と言う?

photo credit: blmiers2 via photopin cc

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昨日、人生で初めての人間ドックに行ってきました。

初めてのバリウム検査にちょっと緊張します。

結果、バリウムを飲むこと自体は全く問題なかったものの、上下左右に動く撮影台の上で「体を二回転してください」とか「45度右に傾いてください」などの指示に応じるのがなかなか大変。何度もずり落ちそうになりながら、何とか完遂しました。

ところで人間ドックというのは、よく考えてみると不思議な名前ではないでしょうか。

ドックというのは、英語の dock に由来します。

dock

a part of a port where ships are required or where goods are put onto or taken off them

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』

船を修理・点検したり、荷物の積み降ろしをしたりする場所のことなんですね。

そういえば昔は、人間ドッグ(dog)ってどういう意味なんだろう?と思っていたこともありました。

なお人間ドックというのは、いわゆる和製英語なので、そのまま human dock などと言っても英語圏の人には通じないようです。

Google翻訳で「人間ドック」を英訳すると Health screening と変換されました。

この他、

  • complete physical examination
  • general checkup
  • thorough medical checkup

などの英訳が当てられるようです。

またGoogle翻訳で「人間ドック」をフィンランド語訳すると terveystarkastus と変換されました。

こちらは terveys(健康)と tarkastus(点検、検査)の複合語。

健康検査というのはややそっけない言い方だなと思って調べてみると、人間ドックのような検査システムはそもそも日本固有のものなのだとか。

よって海外の人に説明するときには、対応する訳語を探すより、やや説明的な表現(e.g., complete physical examination)を使った方がよいのかもしれません。

場合によってはそもそも人間ドックというものは。。。というところから話し始める必要もあるでしょう。大変ですが、腕の見せ所です。

The Three-Cornered World − 漱石の『草枕』を英語で読む

13120101

海外のある程度大きな書店に行くと、Literature(文学)の棚に日本の小説の翻訳を見かけることがあります。

そのタイトルを見て「こんな風に訳すのか」と関心したり、驚いたりすることも。

例えば夏目漱石の中・長編小説の一般的な英訳は次のとおり。

吾輩は猫である I Am a Cat
坊っちゃん Botchan
草枕 The Three-Cornered World
二百十日 The 210th Day
野分 Nowaki
虞美人草 The Poppy
坑夫 The Miner
三四郎 Sanshiro
それから And Then
The Gate
彼岸過迄 To the Spring Equinox and Beyond
行人 The Wayfarer
こころ Kokoro
道草 Grass on the Wayside
明暗 Light and Darkness, a novel


なるほど!というものもあれば、どうにも訳せないので日本語そのままになっているもの(坊っちゃんなど)もありますね。

『行人』の wayfarer という単語は初めて見たので、辞書で調べてみました。

wayfarer

a person who travels from one place to another, usually on foot.

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』

way は「道」、fare は「旅をする」の意味。

少し古風で『行人』という語感にはぴったりの単語かもしれません。

もう一つ気になったのは『草枕』の英題 The Three-Cornered World。

一見すると原題と全く関係ないタイトルです。この名付けの由来について、翻訳者のアラン・ターニー(Alan Turney)は、Introduction の中で次のように述べています。

Kusa Makura literally means The Grass Pillow, and is the standard phrase used in Japanese poetry to signify a journey. Since a literal translation of this title would give none of the connotations of the original to English readers, I thought it better to take a phrase from the body of the text which I believe expresses the point of the book.

(『草枕』の文字通りの意味は The Grass Pillow であり、日本の詩歌で「旅」を表す一般的な表現である。この表題を文字通りに訳しても、英語圏の読者には含意が伝わらないであろうから、私がこの作品の核心を表していると思うフレーズを本文から抜粋した方がよいと思った。)

『The Three-Cornered World − Introduction』*日本語は拙訳

ここでターニーが核心部分と呼ぶ『草枕』の一節とその英訳は次のとおり。

して見ると四角な世界から常識と名のつく、一角を磨滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう。

an artist is a person who lives in the triangle which remains after the angle which we may call common sense has been removed from this four-cornered world.

ここで少し個人的な話をすると、この『草枕』は学生のときに読んだものの、当時は漢文調の文体にあまりついていけず、半分も理解できたかどうかあやしいという感じでした。

しかし妙に心残りなところがあり、いつかもう一度読みたいと思っていたのです。

なお『草枕』で最もよく引用されるのは冒頭の部分でしょう。この部分だけは今でもよく覚えています。

山路を登りながら、こう考えた。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

Going up a mountain track, I fell to thinking. Approach everything rationally, and you become harsh. Pole along in the stream of emotions, and you will be swept away by the current. Give free rein to your desires, and you become uncomfortably confined. It is not a very agreeable place to live, this world of ours.

それにしても流れるようなきれいな英語ですね。

正直、漱石の原文を見ても、どのように英訳したらよいのか皆目見当が付きませんが、素人なりにこの英文には唸らされました。

原文の意を損なわずに、リズムのある美しい英文を作り出しています。

英語で全文を通読するのは大変だとしても、日本語で一度『草枕』を読んでいる人なら、ところどころパラパラとページをめくってみるのもおもしろいと思います。
 

Three-Cornered World
Three-Cornered World

posted with amazlet at 13.12.01
Tuttle Publishing (2011-12-20)

curmudgeon(気難し屋)のはなし

photo credit: guidedbycthulhu via photopin cc

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このブログでは時々、英単語の語源を話題にすることがあります。

しかし数多い英単語の中には、その履歴がはっきりしないものも珍しくありません。

そんな語源不詳の単語の一つが curmudgeon

curmudgeon

a bad-tempered person, often an old one.

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』

英和辞典の訳は「気難しい人」「意地の悪い人」などなど。どこかユーモラスな響きのある単語ですね。

curmudgeon の語源については、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソン(Samuel Johnson)の英語辞典(A Dictionary of the English Language)にフランス語の coeur merchant(evil heart)に由来するという記載があります。

しかし現在ではこの説にはあまり信憑性がないと見られているようです。

curmudgeon (n.)

1570s, of unknown origin; the suggestion, based on a misreading of a garbled note from Johnson, that it is from French coeur mechant “evil heart” is not taken seriously; the first syllable may be cur “dog.” Liberman says the word “must have been borrowed from Gaelic (and references muigean “disagreeable person”), with variant spelling of intensive prefix ker-. Related: Curmudgeonly.

『Online Etymology Dictionary』

ところで、もしあなたのまわりに憎めない curmudgeon がいるなら、こちらの National Curmudgeon Day に関するホームページを紹介してあげるとよいかもしれません。

National Curmudgeon Day – Put on Your Grumpy Face

2014年の National Curmudgeon Day は1月29日とのこと。

ホームページには、よりよい curmudgeon になる方法が紹介されており、その中でニルヴァーナ(Nirvana)の Curmudgeon というタイトルの曲も紹介されていました。

なかなか奥深い curmudgeon への道。一度しっかり学んでみるのもよいかもしれません。

present(現在)と present(贈り物)はなぜ同じ綴りなのか?

present

noun

1. a thing that you give to sb as a gift

2. the time now

『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』

英語の名詞の present には「現在」と「贈り物」という二つの意味があります。

異なるこの二つの意味を、同じ綴りで表すのはなぜでしょう?

単なる偶然という可能性もありますが、もし共通点があるとするならそれは何でしょうか?

 

まずは語源から

『ジーニアス英和大辞典』の説明によると、現在を意味する present はラテン語の praeesse(近くにいる)という単語に由来するそうです。

一方、贈り物を意味する present は古フランス語の presenter(贈り物をする)に由来するとのこと。

これを見る限り、全く別の語源なのかな?と思いますが、『Wiktionary』の説明を見ると、古フランス語の presenter も、もともとはラテン語の praeesse に由来すると書いてあります。

present(time)

From Middle English, from Old French, from Latin praesent-, praesens present participle of praeesse (“to be present”), from Latin prae- (“pre-”) + esse (“to be”).

present(gift)

From Middle English presenten, from Old French presenter, from Latin presentare “to show”, from Latin praesent-, praesens present participle of praeesse “to be in front of”.

こうして見ると途中経路はともかく、同じルーツの単語であることは間違いないようですね。

English Middle English Old French Latin
present(time) praeesse
present(gift) presenten presenter presentare praeesse

 

ルーズベルト夫人の言葉

present の double meaning については、フランクリン・ルーズベルト大統領の夫人エレノア・ルーズベルト(Eleanor Roosevelt)がこんな言葉を残しています。

Yesterday is history.
Tomorrow is a mystery.
Today is a gift.
That’s why it is called the present.

あるいはどんな説明よりも腑に落ちる言葉かもしれませんね。

 

以上、今回は present(現在)と present(贈り物)がなぜ同じ綴りなのかを調べてみました。

見た目が同じ二つの単語が、他人のそら似なのか、あるいは遠縁なのか、調べてみると興味深い世界が広がっていることがあります。

oxymoron の不思議な世界

photo credit: Franck Vervial via photopin cc

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Simon & Garfunkel の1964年のヒット曲『The Sound of Silence』。映画『卒業』の主題歌としても有名です。

この『The Sound of Silence』というタイトルをそのまま訳すと「静寂の音」。

静寂というのは音がないことですから、静寂の音というのは、そもそも矛盾した表現です。

このような表現を英語で oxymoron(撞着語法)と言います。

日常表現の中には、もはや矛盾を意識することなく使っている oxymoron も多いのですが、よくよく見ると相矛盾した表現を含んでいることがわかります。

今回はそんな oxymoron の中からよく使われるものをいくつか拾ってみましょう。

 

bittersweet(ほろ苦い)

例えば恋愛など、楽しくて同時につらいという経験は誰にでもあるもの。

勝負ごとに勝っても、相手の気持ちを斟酌して素直に喜べないということもあります。そんな bittersweet victory を味わったことがある人も多いのではないでしょうか。

 

living dead(生ける屍)

これはいわゆるゾンビのこと。幸いにしてまだ出会ったことはありません。

ジョージ・A・ロメロ監督の『Night of the Living Dead(1968)』など映画のタイトルにもなっています。

 

old news(古いニュース)

「サッカー日本代表が来年のワールドカップへの出場を決めましたね!」などと言えば、古いニュースだなあと言われてしまうことでしょう。

しかし、もともと news というのは「今、起こっていること」を伝えるものなんですよね。

 

open secret(公然の秘密)

みな知っているのに、どうしても口には出せない。そんなことがどの組織にも一つや二つあるのではないでしょうか。

あるいは逆にあなた自身が裸の王様になってしまっていませんか。

 

original copy(原本)

original copy というのは、コピーではなく原本のこと。

例えばパスポートの original copy と言ったら、パスポートそのものを指します。ノンネイティブにとっては、ちょっと紛らわしい表現ですよね。

 

sad smile(悲しげな微笑み)

人間は複雑な感情を持った生き物。

チンパンジーにも微笑みはあるそうですが、悲しげな微笑みとなると果たしてどうでしょう?

 

以上、英語の oxymoron をいくつか紹介してみました。

こういう表現を見ていると、ヒトの言葉というのは不思議なものだなあということを改めて実感します。矛盾によって、より深い表現を生み出しているんですね。

オムニバス(omnibus)の語源とは?

photo credit: Daniele Zanni via photopin cc

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ショパンの「雨だれ」は大好きなクラシック曲の一つ。

この曲を最初に聞いたのは黒澤明監督の映画『夢』の中の「鴉」という一篇でした。

主人公の寺尾聰はゴッホの絵を見ているうち、絵の中に入り込み、原色の絵画の世界をさまよいます。幻想的な世界。

その背後に流れている「雨だれ」の旋律が強く印象に残り、これは何という曲だろう?とすぐに調べたことを覚えています。

『夢』は、この「鴉」を含む全八篇から成るオムニバス映画。

一般にオムニバス映画(omnibus film)というと、同一の監督による短編集を指す場合もありますし、複数の監督による短編集を指す場合もあります。

このオムニバス(omnibus)というやや風変わりな英語の語源は何でしょう?

omnibus は、もともと「すべての人のために」を意味するラテン語。そこから派生して「乗合馬車」を意味する単語になりました。

omnibus (n.)

1829, “four-wheeled public vehicle with seats for passengers,” from French (voiture) omnibus “(carriage) for all, common (conveyance),” from Latin omnibus “for all,” dative plural of omnis “all” (see omni-).

『Online Etymology Dictionary』

現在も世界中で走っている bus は、この omnibus が省略された形。

1829年時点の omnibus の定義「four-wheeled public vehicle with seats for passengers」はそのまま現在の bus に当てはまりますね。

また[omni-]は、all を意味する接頭辞としていくつかの英単語に使われています。

1 omnibus (1人の作家または1つのテーマに基づく)全集、大全集、作品集
(ラジオ・テレビの)総集編、編集番組
(古)バス
2 omnipotence 何でもかなえられる力、全知全能
3 omnipotent 全能の、何でも思い通りにできる
4 omnipresent (同時に)どこにでもいる、(いたる所に)いつも見られる、遍在する、普遍的な
5 omnipresence 遍在
6 omniscience 全知、(無限の)英知
7 omniscient 全知の、通暁した、無限の知識を持つ
8 omnivore 雑食動物、貪欲な人
9 omnivorous 雑食性の
<人が>何にでも興味のある、雑読(家)の

*語義は『ウィズダム英和辞典』より

5)omnipresence は、初めて出会ったとき不思議な単語があるものだなあと思ったのを今でも覚えています。

「遍在」するものとは、例えばキリスト教の神。主に一神教的な文脈で使われることばなので、日本語にはあまり馴染まないのかもしれません。

しかし似たような意味のユビキタス(ubiquitous)という単語は、コンピュータ/インターネットの普及と相まっていくらか有名になりました。

2、6)omnipotence、omniscience も、omnipresence と同じく神の属性(attribution)として使われる単語。

こうして見ると[omni-]は神の接頭辞とも言えそうです。

以上、今回は omnibus の語源や接頭辞[omni-]を含む単語を紹介しました。

あまり使う単語ではありませんが、どことなく神秘的な佇まいがありますね。

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