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ことばを味わう

空のけしきもうらうらと

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いよいよ、2015年が始まりました。

とはいえ、今日のところはのんびりとお正月を過ごしている人がほとんどでしょう。

新年を祝う正月という行事がいつ頃から始まったのかはわかりませんが、今から約1,000年前に書かれた清少納言の『枕草子』には元日についての記述があります。

正月一日は、まいて空のけしきもうらうらと、めづらしう霞みこめたるに、世にありとある人は皆、姿、かたち、心異につくろひ、君をも我をも祝ひなどしたる、様異に、をかし。

「空のけしきもうらうらと」というのは、お正月らしいほのぼのした表現ですね。

この短い一文に、現代のお正月と変わらない祝祭の気配を感じることができます。

そんな『枕草子』は『The Pillow Book』というタイトルで英訳もされています。

さきほどの件は、いったいどのように英訳されているのでしょう?

On the first day of the year, the sky is gloriously fresh and spring mists hang in the air. It’s quite special and delightful the way people everywhere have taken particular care over their clothing and makeup, and go about exchanging New Year felicitations.

*felicitation(祝辞、乾杯)

『The Pillow Book』translated by Meredith McKinney

「空のけしきもうらうらと」の部分は、英訳では ‘the sky is gloriously fresh’ となっています。

ここだけを見ると、ちょっとニュアンスが違うかな?と思うところもありますが、文全体を読むと、お正月の華やいだ空気がきちんと伝わっているような気もします。

考えてみると、1,000年の時を超えて、言葉の壁を越えて、一人の女性の気持ちに共感できるというのは驚くべきことではないでしょうか。

そんな不思議な力を持つ「言葉」に関するちょっとした話題を、今年もこのブログでは取り上げていきたいと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

それでは、2015年がみなさまにとって素晴らしい年になりますように。

 

The Pillow Book (Penguin Classics)
Penguin (2006-11-30)

sobs, sniffles, and smiles

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Life is made up of sobs, sniffles, and smiles, with sniffles predominating.

(人生はむせび泣きとすすり泣きと微笑みでできている。そしてその中でいちばん多いのはすすり泣きだ。)

− O. Henry, The Gift of the Magi

『世界文学の名言』(IBCパブリッシング)より

突然、私たちの心にやってくる正体不明のもやもやした気持ち。

心の奥の方がずーんと重くなっているのに、その理由がわからない。

気晴らしに音楽を聴いてみたり、散歩をしてみたりするものの、どこか上の空。

そんなことってありますよね。

しかしそのもやもやした気持ちを「言葉」にすることができれば、それだけで気持ちというのはすっと軽くなるもの。

理由もわからずに塞いでいるより、「自分は○○のせいで悲しかったんだ」というように、自分の気持ちを言語化する努力をしてみましょう。

人間は感情の動物。しかし現代社会においては、感情をストレートに出すのはあまり好ましいこととされていません。

そのため、いつしか感情に蓋をするのが習慣になり、自分自身の気持ちがわからないという人も多いのではないでしょうか。

しかし自分は今「悲しい」という気持ちを味わっているとはっきりと認識すれば、そこで流す涙も一種のカタルシスになるはず。

何となく心が晴れないときには、自分の中の階段を降りていって、そのときの気持ちを「言葉」にするところから始めてみませんか。

 

世界文学の名言
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The fact that everyone agrees on it doesn’t make it true.

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【原文】衆惡之必察焉、衆好之必察焉

【一般的な和訳】 大勢が憎むことも必ず調べ、大勢が好むことも必ず調べてみる。

【意訳】 全員が同意しただけで、それが真実だということにはならない。

The fact that everyone agrees on it doesn’t make it true.

『英語で論語』より

今『英語で論語』という本を読んでいます。

『論語』は、中国・春秋時代の思想家孔子とその弟子たちの言行録。

『英語で論語』では、その論語から抜粋した100の章句を英訳し、文法のポイントを解説しています。

英語の学習書としては初心者向けのものですが、論語を読んだことがない人が初めて論語の世界に触れる最初の一冊として選んでみるのも面白いかもしれません。

冒頭の一節は、本日投開票の第47回衆議院議員選挙の結果を受けて選んでみました。

論語の有名な章句というのは、論語を読んだことがない人にとっても、どこかで聞いたことがある内容が多いですし、そんなのは当たり前と思える内容も多いです。

それは論語の教えというものが、私たちの生活にそれだけ深く入り込んでいることの証左でもあるのでしょう。

それでも一つ一つの箴言に改めて向き合ってみれば、2,500年の昔を生きた先人の知恵を受け取り、心を通わせることができるはず。

言葉の面で言えば、中国語・日本語・英語という3か国語を並べることで見えてくるものがあります。また言葉が違っても一つの思想を共有できるということの不思議さに思いを馳せることもあるでしょう。

ちょっとした隙間時間にも読むことができるおすすめの一冊です。

 

英語で論語
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前後ありといへども、前後際断せり

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前後際断(ぜんごさいだん)

前際(過去)・後際(未来)が断ち切れていること。或いは前後の際(あいだ)が断たれていること。現在の状況を過去や未来と対比させてみるあり方を否定すること。…

つらつら日暮らしWiki〈曹洞宗関連用語集〉より

最近読んだ本の中で一番ワクワクしたのが『すらすら読める正法眼蔵』という一冊。

これは鎌倉時代の禅僧、道元禅師(1200-53)の主著『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』の抜粋に宗教評論家のひろさちやさんが現代語訳と解説を加えたもの。

正法眼蔵の原著は87巻から成る大著であり、分量的にも内容的にも素人が読破するのはなかなか難しいと思いますが、この本ではそのエッセンスをわかりやすく教えてくれます。

膨大な世界の一端を覗いているだけという謙虚さは持ちつつ、ページをパラパラとめくっていると実にさまざまな発見があります。

今回は正法眼蔵第1巻の「現成公案(げんじょうこうあん)」より、特に心に残った一節を紹介してみたいと思います。

たき木、はひとなる、さらにかへりてたき木となるべきにあらず。しかあるを、灰はのち、薪はさきと見取すべからず。しるべし、薪は薪の法位に住して、さきありのちあり。前後ありといへども、前後際断せり。灰は灰の法位にありて、のちありさきあり。

私たちは、薪(たきぎ)が燃えて灰になるとき、薪が灰に変化したと考えます。

しかしそうではない、薪は薪という本質において前と後があり、灰は灰という本質において前と後があるのだと。

道元禅師は、人間の生と死もまた同じであると語りかけます。

かのたき木、はひとなりぬるのち、さらに薪とならざるがごとく、人のしぬるのち、さらに生とならず。しかあるを、生の死になるといはざるは、仏法のさだまれるならひなり。このゆゑに不生といふ。死の生にならざる、法輪のさだまれる仏転なり。このゆゑに不滅といふ。

薪は灰になった後に薪になることはない。人も死んだ後に生き返ることはない。よって生が死になるということもない。

このあたりのロジックは少しわかりにくいかもしれません。

もう少し続きを見てみましょう。

生も一時のくらゐなり、死も一時のくらゐなり。たとへば、冬と春のごとし。冬の春となるとおもはず、春の夏となるといはぬなり。

季節の移り変わりを考えたとき、冬が春に変化したり、春が夏に変化したりするのではない。

冬は冬という本質において前と後があり、春は春という本質において前と後があるのだと。

この季節の例えは、薪と灰の例えより、もう少しわかりやすいような気がします。

春夏秋冬を一続きのものとして考えるのではなく、時には「前後裁断」して考えること。

一日一日を一続きのものとして考えるのではなく、時には「前後裁断」して考えること。

そういった思考が、せわしない日常を乗り切る上で力になってくれることもあるのではないでしょうか。心に留めておきたい言葉です。
 

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trying & failing

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Next to trying and winning, the best thing is trying and failing.

(一生懸命にやって成功することの次によいことは、一生懸命にやって失敗することよ。)

− Lucy Maud Montgomery, Anne of Green Gables

『世界文学の名言』(IBCパブリッシング)より

最近心に響いた名言を一つ。

生まれつきの性格なのか、育ちのせいなのかはわかりませんが、失敗に対する耐性が高い人と低い人がいるように思います。

若い頃には失敗を恐れなかったのに、年を重ねるにつれて慎重になってしまうこともあるでしょう。

それでは自分の場合はどうか?とこれまでの人生を振り返ってみると、やはり挑戦する前に自重してしまうことが多かったように思います。

どちらかと言うと先回りして失敗の目を潰してしまうような。

しかしこの頃、それではつまらないなーというか、上手くいくかどうかわからないものに自分を賭けてみたいという思いが年々強くなってきました。

「年を重ねるごとに破天荒になってきたね」なんていう生き方もいいですよね?
 

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海を渡るために

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You can’t cross the sea merely by standing and staring at the water.

(水を見つめて立っているだけでは、海は渡れない。)

− Rabindranath Tagore

ラビンドラナート・タゴール(Rabindranath Tagore)はインドの国民的詩人。1913年にはアジアで初となるノーベル文学賞を受賞しました。インド国歌「Jana Gana Mana」の作詞・作曲者でもあります。

「行動しなければ、望んだものを得ることはできない」と説く格言はたくさんありますが、その中でも特に印象深いのがこのフレーズ。

それでは海を渡るためにはいったいどうすればよいのでしょうか?

千里の道も一歩から。平地ならまずは一歩目を踏み出せばよいでしょう。

しかしこれが海となると、やみくもに進んでもすぐに溺れてしまうだけ。

まずは目的地を定め、そこまでの航海に耐えられる船を設計すること。

さらに必要な食糧を備蓄し、正確な海図も準備する必要があるでしょう。

そしてひとたび海に漕ぎ出せば、正しい方角に進んでいるか絶えず確認し、風雨にさらされながら粘り強く目的地を目指さなければなりません。

大切なのは周到な準備と最後までやり通す気力。

そんな風に考えていくと、含蓄に富んだ格言だなあと思うのですが、いかがでしょう?

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