「おてんば」の語源とは?
先日、いつも通勤に使っている電車の中で「わー」と走り回っている5歳くらいの女の子がいました。
そのとき、ふと頭に浮かんだのがこの日本語。
おてんば【御転婆】
女性としてのたしなみを忘れてふざけさわぐ少女(女性)。
「新明解国語辞典 第七版」
しかしこの「おてんば」という日本語、漢字をよく見ると中にお婆さんが入っています。
どちらかというと、若い女性のイメージが強い「おてんば」にお婆さんが入っているのはなぜなのでしょう?
そんな訳で「おてんば」の語源をちょっと調べてみたところ、いくつかの説があるようです。
その中でおそらく最もおもしろいのは、オランダ語で「手に負えない」を意味する ontembaar(オンテンバール)から来ているという説。
これが本当ならびっくり!となるところですが、真偽のほどは定かではないよう。
たしかにこれはちょっと出来過ぎかなあという気がします。
もう一つ、有力な説は「てんば」という単語に接頭辞の「お」が付いたというもの。
この「てんば」は広辞苑にも出ています。
てんば【転婆】
(「転婆」は当て字)
- 騒々しくてつつしみのない女。でしゃばり女。おてんば。…
- そそっかしいこと。軽はずみ。また、そういう人。男女ともにいう。…
- 親不孝なこと。また、そういう人。男女ともにいう。…
「広辞苑 第五版」
これによると「婆」というのは単なる当て字であって、もともとは男性にも適用されていた言葉なんですね。
現代では男の子なら「わんぱく」と呼ぶところでしょう。
以上、ちょっと気になった「おてんば」の語源のお話でした。