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日本語

「おざなり」と「なおざり」の違いとは?

紛らわしい日本語は多々ありますが、おざなりとなおざりの使い分けは、その最たるものではないでしょうか。わかっているようでわからない、いつも混乱してしまいます。

このあたりでもう一度、しっかりと用法を確認しておくことにしました。

まずは辞書の語義から。

おざなり【お座なり】

当座をつくろうこと。その場のがれにいいかげんに物事をするさま。「ーの計画」「ーにする」「ーを言う」

『広辞苑』

おざなりの計画というのは、行き当たりばったりで、完成度の低い計画ということになるのでしょう。

なお和英辞典で「おざなり」を引くと、careless, slapdash, perfunctory などの訳語が出てきます。

なおざり【等閑】

1 あまり注意を払わないさま。いい加減にするさま。かりそめ。おろそか。ゆるがせ。「規則をーにする」「ーな態度」

2 あっさりしていること。

『広辞苑』

規則をなおざりにするというのは、つまり規則を守らないということですね。

和英辞典で「なおざり」を引くと、neglect, disregard などの訳語が出てきます。

こうして見ると、おざなりとなおざり両方の語義に「いいかげん」という言葉が含まれているため、両者の違いが非常にわかりにくくなっています。

そこで一旦、語義から離れて頭の中で用例を思い浮かべてみると、おざなりは適当なりに行動をしているものの、なおざりはそもそもほったらかしというイメージが浮かんできました。

検索してみると、NHKアナウンスルームのホームページにそのあたりの解説がのっていました。

<前略>

『おざなり』はいい加減でも”何かする”。『なおざり』はいい加減で”何もしない”。この点が違うのです。

なるほど。つまり両者には以下のような違いがあると言えそうです。

おざなりに宿題をする。
→たいして集中もせずに、ダラダラと宿題をこなす。

宿題をなおざりにする。
→遊びに夢中になって、宿題に手を付けない。

こうしてみると宿題の場合は、「なおざり」より「おざなり」の方がまだましと言えそうです。

あるいは気が乗らないことはいっそ「なおざり」にできる方が大物と言えるのかもしれません。さてどちらが良いでしょうか?

雨の表現とオノマトペ

photo credit: @Doug88888 via photopin cc

エスキモー(イヌイット)語には、雪を表す語彙がたくさんあるという説が広まったことがありました。

実際にはそんなことはないようなのですが、この説には信じるに足るだけの説得力があることも確かです。

常に雪に囲まれている地域に暮らしていれば、雪の性質に敏感になるのも当然という気がします。

一方、日本語には、雨に関する多様な語彙があります。

『新明解国語辞典』で「◯◯雨」という表現を拾ってみたところ、これだけの単語が引っかかりました。シベリアやアラスカが雪の地域なら、四季を通じて雨量の多い日本は雨の地域と言えるでしょう。

秋雨、煙雨、大雨、空梅雨、気違い雨、強雨、霧雨、降雨、豪雨、穀雨、小雨、小糠雨、五風十雨、細雨、五月雨、小夜時雨、山雨、地雨、慈雨、時雨、櫛風沐雨、驟雨、集中豪雨、宿雨、春風秋雨、硝煙弾雨、晴雨、蝉時雨、多雨、弾雨、血の雨、梅雨、照り雨、照り降り雨、天気雨、通り雨、長雨、菜種梅雨、涙雨、俄か雨、糠雨、白雨、走り梅雨、春雨、微雨、氷雨、日照り雨、一雨、風雨、暴風雨、村雨、村時雨、猛雨、遣らずの雨、雷雨、涼雨、緑雨、霖雨、冷雨

この中には雨ではないもの(弾雨など)も若干含まれていますが、それでもこれだけの表現があるというのは壮観です。

例えばこんな表現。

菜種梅雨(なたねづゆ)

三月下旬から四月にかけて、菜の花〔=アブラナ〕の盛りのころ、一度暖かくなった後に小雨が降り続いて寒くなったりする天気

いかにも日本語だなあという感じの、いつまでも辞書に残ってほしい表現だと思います。

この他、日本語には雨の降り方を表すいくつかのオノマトペが存在します。

しとしと

(副)雨が静かに降る様子。

例えば、英語圏の人に「しとしと」ってどんな感じ?と聞かれたら、何と答えますか?

おそらく drizzle(細雨)という単語に比較的近いような気がするのですが、それでもしとしとが持つ雰囲気をきちんと伝えるのは難しいような気がします。

『類語例解辞典』には、このしとしとを含め、さまざまなオノマトペの使い分けが紹介されています。

しょぼしょぼ/しとしと/ぽつぽつ/ぱらぱら/ばらばら/ざあざあ

[使い分け]

【1】雨の勢いは、「しょぼしょぼ」「しとしと」「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「ばらばら」「ざあざあ」の順で激しくなる。

【2】「しょぼしょぼ」は、「しとしと」に近いが、陰気で情けないイメージがある。「しとしと」は、音もたてずに細かい雨が降る様子をいう。「ぽつぽつ」は、まばら、「ぱらぱら」は、それよりもう少し多く、勢いもあり、軽く音がするさま。「ばらばら」は「ぱらぱら」よりもさらに粒が大きく音も大きいさま。「ざあざあ」は、雨の降り方のなかでは最も大量で勢いが強い。[英]gently(しとしと); heavily(ざあざあ)

【3】「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「ばらばら」は、雨の降り始めの表現として用いられることが多い。

【4】雨の降るさま以外に使われることがないのは、「しとしと」だけである。

【1】の記述はそこまで言い切れるのか?とやや疑問に思うものの、順位を付ければ確かにこんな感じかなあとも思います。

この中ではやはり「しとしと」に日本語らしい繊細さと情感を感じるのは、私だけでしょうか?

「氷蘭、瑞典、丁抹、諾威、芬蘭」とは、どこの国?

フィンランドを漢字で表記すると「芬蘭」。これはもちろん当て字です。

芬【フン】は訓読みすると、かお(る)、こうば(しい)とも読み、香りを意味する漢字です。

ふん[芬]

よいかおりのするさま。匂いただようさま。

ふんぷん[芬芬]

においの強いさま。多くよい香りにいうが,悪臭にもいう。

『大辞林』

日本語の当て字によると、フィンランドは香りの国ということになります。

このような国名の漢字表記がいつ、どのように成立したのかについては、よくわかっていない点も多いようです。

一つ確かなのは表記に関する明確なルールがある訳ではなく、あくまで慣例に従って用いられているということ。

ヨーロッパの国名では、イギリスの「英吉利」、フランスの「仏蘭西」などはよく知られているものの、一見どこの国なのか判別が難しい表記も多くあります。例えば、以下の漢字はどうでしょう?

  • 氷蘭
  • 瑞典
  • 丁抹
  • 諾威

正解は次のとおり。北欧の国々でした。

カナ表記 漢字表記 一文字
アイスランド 氷蘭、氷島、氷州、氷洲、愛撒倫
スウェーデン 瑞典 瑞、典
デンマーク 丁抹、璉馬
ノルウェー 諾威、那威、能留英
フィンランド 芬蘭、芬蘭土

*Wikipedia「国名の漢字表記一覧」より

アイスランドは「氷」の国というのはイメージどおりでしょうか?

ただしよく見ると、アイスランドだけは意味に基づいて漢字が選ばれているのに対して、それ以外の国は音に基づいて漢字が選ばれていることがわかります。

フィンランドが「香り」の国なら、スウェーデンは「端っこ」の国、デンマークは「偶数」の国、ノルウェーは「同意」の国ということになるでしょうか。

全く関連性のないところが逆におもしろいと思いました。

上記の出典とその他の国名の漢字表記はこちらから見ることができます。

最初にこのような表記を考えた人は大変だったでしょうが、一方ではすごく楽しい作業だったのではないでしょうか。

そんな担当があるのだとしたら、ぜひやってみたいものだと思います。

「あい」と「あゐ」の違いとは?

photo credit: eclectic echoes via photopin cc

日本語にはさまざまな同音異義語があります。「愛」と「藍」もその組み合わせの一つ。

あい【愛】

  1. 親子・兄弟などがいつくしみ合う気持ち。また、生あるものをかわいがり大事にする気持ち。「―を注ぐ」
  2. 異性をいとしいと思う心。男女間の、相手を慕う情。恋。「―が芽生える」
  3. ある物事を好み、大切に思う気持ち。「芸術に対する―」
  4. 個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心。「人類への―」
  5. キリスト教で、神が人類をいつくしみ、幸福を与えること。また、他者を自分と同じようにいつくしむこと。→アガペー
  6. 仏教で、主として貪愛(とんあい)のこと。自我の欲望に根ざし解脱(げだつ)を妨げるもの。

あい〔あゐ〕【藍】

  1. タデ科の一年草。高さ50~80センチ。茎は紅紫色で、葉は長楕円形。秋、穂状に赤い小花をつける。葉・茎から藍染めの染料をとり、京都・大坂・阿波が産地として知られた。果実は漢方で解熱・解毒に使う。古く中国から渡来したとされる。たであい。あいたで。《季 花=秋》「この村に減りし土蔵や―の花/秋郷」
  2. 濃青色の天然染料の一。1や木藍(きあい)などの葉や幹から得られる。インジゴ。
  3. 藍色(あいいろ)。

『大辞泉』

それぞれの語義はさておき、ここで注目したいのは、藍の方の仮名には「あい」と「あゐ」の二種類が当てられていること。

現在ではもちろん「あい」と表記しますが、昔は「あゐ」と表記していたんですね。

調べてみると、平安時代のころまでは、「い」はア行のイ、「ゐ」はワ行のヰとして区別されていたのだそうです。(ゐのカタカナはヰ)

これはつまり、「い」は[i]、「ゐ」は[wi]と発音されていたということを意味しています。

次のように五十音を並べてみると「ゐ」の位置付けがよくわかるのではないでしょうか。

w r y m h n t s k
a
i
u
e
o

 
あゐ(藍)のほか、「ゐ」を使う(使った)単語には次のようなものがあります。

  • あぢさゐ(紫陽花)
  • ゐど(井戸)
  • ゐなか(田舎)
  • くれなゐ(紅)

これらの単語も昔は「あじさうぃ」「うぃど」「うぃなか」「くれなうぃ」と読んだのでしょうか?

そうだとすると、心なしか外国語のような音にも聞こえます。ウイスキーに「ヰスキー」という字を当てたのは、まさにぴったり。

この時代の会話が録音されていたら、どんなにおもしろいだろうと思いますが、それはかなわない夢ですね。

「どういたしまして」の意味を考えてみる

英語で Thank you. とお礼を言われたら、何と答えますか?

手元の『Practical English Usage』を開いてみると、次のような表現が紹介されていました。

1 Not at all.
2 You’re welcome.
3 Don’t mention it.
4 That’s(quite)all right.
5 That’s OK.(informal)
6 No problem.(informal)

 
日本で英語を習った人なら、真っ先に思い付くのはおそらく You’re welcome. でしょう。これはアメリカ式の表現です。

その他にも、地域によって、また相手との関係性によって、さまざまな表現を用いることがあります。

以前住んでいたオーストラリアでは、No worries. という表現が一般的でした。これはいかにも Aussie な表現だと思います。

 

さて英語ではなく、日本語で「ありがとう」とお礼を言われたら、みなさんは何と答えますか?

インフォーマルな表現は多々あるものの、おそらく「どういたしまして」がもっとも一般的な表現でしょう。

私たちは日常生活で何の疑問もなくこの表現を使っています。しかしもし私が日本語を外国語として学ぶ立場だったら、次のような疑問を感じるに違いありません。

「どういたしまして」というのは、いったいどういう意味なのですか?

英語は単語ごとに分かち書きをすることもあり、内部構造を容易に把握することができます。例えば、You’re welcome. なら「あなたは歓迎されています。」、Don’t mention it. なら「それには触れてくれるな。」という意味ですね。

その点「どういたしまして」という言い回しには、どうもわかりにくいところがあります。

その謎を解くため、いくつか辞書を当たってみたところ、ウィクショナリー日本語版の説明がわかりやすかったので引用してみます。

どう、いたし・まし・て<「どう(どのように、何を)」+「いたす(「する」の謙譲語)」+「ます(丁寧語を造る助動詞)」+「て(反問的用法の終助詞)」)。
「何を、したというわけでもありませんよ(だから、気になさらないでください)」の意

「(私、あなたのために)何かをしましたか? いや何もしていません。」というニュアンスなのですね。

そう思って「どういたしまして」と呟いてみると、腑に落ちるとともに、このありふれた表現がとても美しい響きの日本語に聞こえてくるのが不思議です。

インクとケーキの違いとは?

先日このブログの文章を書いているとき、コンテクストという単語を使おうとして、あれ「コンテキスト」だったかな?それとも「コンテクスト」だったかな?と表記に迷ったことがありました。

些末なことではありますが、どうもすっきりしません。そのときは、とりあえず「コンテクスト」としておきました。

その後『たのしい日本語学入門』という本をパラパラと読んでいたら、偶然この「キ・ク」のテーマが出ており、なるほど!と思ったので紹介してみたいと思います。

漢語の発音が音読みでも中国音からずれ、日本語にあてた訓読みまで誕生したように、外来語も日本語に合わせたさまざまな変形が起こり、多かれ少なかれ原語から離れていく。

(中略)

母音の補い方が時代によって違う場合もある。inkは古くは「インキ」と書いていたのを、それではあまりに陰気なせいでもあるまいが、今は「インク」と書く。一般に「キ」が「ク」に変わる傾向があるが、「キリスト・ケーキ」はキのままだ。「テキスト・テクスト」のようにほぼ同じ意味で共存している例もある。

P.156

英語の発音[k]をカナ書きにする際、一昔前は「キ」を当てることが多かったものの、今は「ク」を当てることが多くなったということなのですね。これは納得。

ただし「インキ」は古めかしく感じますが、「ケーキ」や「ステーキ」は古く感じませんし、「ケーク」や「ステーク」と言うこともありません。この違いはなぜ生まれるのでしょう?

また「テキスト・テクスト」はたしかに共存していますが、なんとなくニュアンスが異なるような気がします。

テキストというとまずは教科書(textbook)や文字データを連想しますが、テクストというとテクスト論など文芸批評のイメージが強くなるのは自分だけでしょうか。

そういう意味では共存しつつ、異なる意味が生まれつつあるという珍しい例なのかもしれません。

 

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