語学の達人たち vol.1 − ジュゼッペ・ガスパロ・メゾファンティ
きのうのエントリーで一言だけ触れた語学の達人、メゾファンティ枢機卿について少し紹介してみたいと思います。
ロンブ・カトーさんの『わたしの外国語学習法』によると、彼は生まれ故郷のイタリア・ボローニャから一歩も出ることなく、70か国語を使えるようになったとのこと。
まさに語学の達人と言えるでしょう。
いったいどんな方法で70か国語もの言葉を身に付けたのでしょうか。
メゾファンティは身分の低い家庭に生まれたが、幼少期から優れた記憶力と音感を持ち合わせ、特に外国語習得に関しての才能は並外れたものだった。
メゾファンティは、ボローニャにある子供たちに信仰や文字の読み書きなどを教える学校 (Scuole Pie) に通い、教皇領からやって来た多くのイエズス会宣教師と交流した。彼らと会話を交わすうち、スウェーデン語、ドイツ語、スペイン語、その他南米各地のさまざまなスペイン語方言をすぐに覚えてしまった。
Wikipedia「ジュゼッペ・ガスパロ・メゾファンティ」より
こうしてみると、やはり語学には才能という絶対領域があることがよくわかります。
この語学の才能を買われ、メゾファンティは神学の道に進むことになります。
当時のイタリアは戦乱のさなかにあり、ボローニャの病院には世界各国の負傷兵が担ぎ込まれていました。
メゾファンティは、彼らを慰問し交流を深めることで、さらに新しい言語を身に付けていったそうです。
ボローニャから一歩も出なかったとは言っても、書物だけではなく、さまざまな人との出会いから外国語を学んだということなのですね。
ところで気になるのは、彼が最終的に使えるようになったという70か国語の内訳です。70には足りないようですが、Wikipedia には下記のような一覧ものっていました。
ほぼ完璧に話し、書くことのできた言語
ヘブライ語、アラビア語、カルデア語、コプト・エジプト語、古典アルメニア語、アルメニア語、ペルシア語、トルコ語、アルバニア語、マルタ語、古代ギリシア語、ギリシア語、ラテン語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、スウェーデン語、英語、ロシア語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語、中国語、シリア語、ゲエズ語、アムハラ語、ヒンドゥー語、グジャラート語、バスク語、ルーマニア語他。
話さないが、読解が可能だった言語
サンスクリット、マレー語、チベット語、アイルランド語、サーミ語、ルーシ語、フリジア語、ラトビア語、ラトビア語、コーンウォール語、ケチュア語、バンバラ語
ヨーロッパの言語が多いのは当然として、驚くべきは中国語が「ほぼ完璧」のカテゴリーに入っていることでしょうか。
またこちらのリストを見ると、日本語も少しできたとのこと。
こんな人がもし同時代にいたら、ぜひ一度話してみたいものだと思います。