8月 15, 2015
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フィンランド語 /
一昨々日・一昨日・昨日のエントリーの続きです。
フィンランド語学習記 vol.315 − 複数分格の作り方(1)
フィンランド語学習記 vol.316 − 複数分格の作り方(2)
フィンランド語学習記 vol.317 − 複数分格の作り方(3)
今回は以下の表現を複数分格の形に直してみます。
uusi kone(新しい機械)
vieras maa(外国)
uusi kone(新しい機械)
uusi kone
1ー1)uusi → 複数語幹を求める(=そのまま)
*いきなり複数語幹を作れるので、手順(4)へ飛ぶ。理由は後述。
1ー2)kone → 単数語幹を求める
=
→
uusi konee
uusi konee
2)konee → 複数の印[i]を置く
→
uusi koneei
uusi koneei
3)koneei → [i]の前に長母音が来るときは、[ee → e]のように短くなる
→
uusi konei
uusi konei
4ー1)uusi → 単数語幹が1つの母音で終わるときには、分格語尾[-a/-ä]を付ける
4ー2)konei → 単数語幹が2つの母音で終わるときには、分格語尾[-ta/-tä]を付ける
→
uusia koneita
uusi のように、単数語幹を求める際、語末の[si]が[te]に変化する単語 は、辞書形がそのまま複数語幹になります。
uusi
[単数語幹]uute
[複数語幹]uusi
よって複数分格を作りたいときには、辞書形に[-a/-ä]を付けるだけで出来上がり。
vieras maa(外国)
vieras maa
1ー1)vieras → 単数語幹を求める
1ー2)maa → 単数語幹を求める(=そのまま)
→
=
vieraa maa
vieraa maa
2)複数の印[i]を置く
→
vieraai maai
vieraai maai
3) [i]の前に長母音が来るときは、[aa → a]のように短くなる
→
vierai mai
vierai mai
4)単数語幹が2つの母音で終わるときには、分格語尾[-ta/-tä]を付ける
→
vieraita maita
vieras のように子音で終わっている単語は、単数分格と複数分格の作り方がかなり異なるので注意が必要。
単数分格を作るときには、単数語幹は用いず、そのまま[-ta/-tä]を付けます。
vieras
→[単数分格]vierasta
複数分格を作るときには、複数語幹に[-ta/-tä]を付けます。
[複数語幹]vierai
→[複数分格]vieraita
つまり複数分格を作るときには、いったん単数語幹(vieraa)を経由して、複数語幹(vierai)を求める必要がありますが、単数分格を作るときには単数語幹(vieraa)について考える必要はありません。
これは少々複雑。
いずれにしても慣れてしまえば単数語幹を経由する必要はないのかもしれませんが、まずは丁寧に見ていった方がよさそうです。
まとめ
以上、全4回に渡って、複数分格の作り方をまとめてみました。
<扱った表現一覧>
iso talo(大きな家)
kesy karhu(おとなしい熊)
oma kuva(自分の絵)
vanha laiva(古い船)
pitkä pöytä(長いテーブル)
pieni saari(小さい島)
siisti baari(きれいなバー)
mukava satama(気持ちのよい港)
ikävä elämä(寂しい人生)
pimeä kahvila(暗い喫茶店)
uusi kone(新しい機械)
vieras maa(外国)
とりあえずこれだけのパターンが頭に入っていれば、新しい単語が出てきても「あのパターンと同じだ」と頭の中で照らし合わせて、すぐに複数分格の形を作ることができるのではないでしょうか。