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りんごが一つしかない

16101301

「りんごがある」と言えば、りんごは「ある」。

「りんごがない」と言えば、りんごは「ない」。

しかし「りんごが一つしかない」と言っても、りんごは「ある」。

これは日本語の不思議な表現の一つではないでしょうか。

実際「りんごが一つしかない」を英訳しようとすれば、”There is only one apple.” のようにどうしても肯定文になってしまいます。

もちろん「一つしかない」と言うときに話し手の頭の中では、一つあるりんごよりも、りんごが少ないということが強く意識されているはず。そういう意味では「ある」よりも「ない」を使う方が感覚的には妥当なのかもしれません。

この「しか」を辞書で引いてみると次のように出ていました。

しか(副助)

〔否定表現と呼応して〕話し手にとって狭いと意識される範囲(少ないと感じられる数量)に限定されることを表わす。

「きょうの会には一人しか来なかった/これは僕しか知らない話だ/この切符では新宿までしか行かれない/いやならやめるしかない/この花は高山にしか咲かない/私のしかない」

「新明解国語辞典 第七版」

上記の用例を見ると「しか」の後には「ない」に限らず、様々な否定形が来るということがわかります。

ただいずれの例も、その意味する内容は肯定的に表すことができます。

きょうの会には一人しか来なかった 一人は来た
これは僕しか知らない話だ 僕は知っている
この切符では新宿までしか行かれない 新宿へは行ける
いやならやめるしかない やめることはできる
この花は高山にしか咲かない 高山には咲く
私のしかない 私のはある

 

否定形なのに否定ではない。日本語を外国語として学んでいる人はいったいどのようにこの表現を理解するのでしょう?

 
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フィンランド語学習記 vol.412 − 夜のもう一つの姿

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フィンランド語教室の再開に向けて、『フィンランド語トレーニングブック』を使って複数格変化の復習をしていました。

どんどんと新規の文法が出てくる中で、どうもこのあたりがあいまいになっていたのです。

『フィンランド語トレーニングブック』の Kappale 48 では動詞の過去語幹と名詞の複数語幹(いずれも i を付ける)を対比しながら、パターンごとに練習できる問題がのっていて、全体をざっと復習したいときにはとても助かります。

例えば、syödä(食べる)の過去語幹と yö(夜)の複数語幹の作り方を見てみましょう。
 

syödä(食べる)の過去語幹の作り方

syödä 1)現在語幹を求める syö
syö 2)複数の印[i]を置く syöi
syöi 3) [i]の前に[ie][uo][yö]が来るときは、一文字目の[i][u][y]が消える。 söi

 

 yö(夜)の複数語幹の作り方

1)単数語幹を求める(=そのまま)
2)複数の印[i]を置く yöi
yöi 3) [i]の前に[ie][uo][yö]が来るときは、一文字目の[i][u][y]が消える。 öi

 

作り方がよく似ているので、過去語幹と複数語幹の作り方は合わせて覚えるのが効果的。

それにしても yö のように2つの母音のみで構成されている単語は複数形になると語頭の文字が変わってしまうんですね。

öi に yö の面影はなく、果たしてぱっと見たときに yö を連想できるかどうか。

もしこれを知らずに öi から辞書を引いてしまったら、永久に目当ての単語にたどり着けないという悲しい結果になりそうです。

 

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座っている時には背が高く見えるが、立つと背が低い人

16101101

子供の頃の身体測定の項目といえば、身長・体重・胸囲・座高の4つ。

このうち座高の検査は「意味がない」ということで今年度から廃止になったそうです。

言われてみれば、たしかに何の意味があるのかよくわからないですね。

ところで、ドイツ語には思わずこの座高検査を連想してしまうような、こんな単語があるのだとか。

Sitzriese

A person who appears tall when they are sitting, but short when they stand; a person who is long-waisted.

「Wiktionary」

Sitzriese は「座っている時には背が高く見えるが、立つと背が低い人」の意味。

日本語にも「胴◯」や「◯足」のような単語はありますが、この Sitzriese は単に胴が長い、足が短いということではなく、座っているときには背が高く見えるという二面性がポイント。

そんな複雑なことをたった一語で表してしまう単語があるなんてすごい!

。。。とはいえ、座高検査と同じくらい何のためにあるのかわからない単語でもあります。

果たしてこの単語を悪口以外の文脈で使うことはあるのでしょうか?

小説の人物描写などでひょこっと使われていたりしたら面白いだろうなあ、などと思わず想像してしまいます。

東西南北の瓜

photo credit: wwarby Jack-o'-lanterns via photopin (license)

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かぼちゃは漢字で書くと「南瓜」。

字のとおり南から伝わった野菜なのかな?と思い、辞書を引いてみるとびっくり。

かぼちゃ【南瓜】

〔東南アジアの地名 Cambodia(カンボジア)から〕

畑に栽培する一年生つる草。夏、黄色の花を開く。実は大形で、煮ると甘い。種類が多く、実の形・色はさまざまである。とうなす。〔関西では、なんきん。ぼうぶら 〕〔ウリ科〕

「新明解国語辞典 第七版」

かぼちゃの名前の由来はなんとカンボジア。一度もそんなつながりを連想したことはありませんでした。

南蛮渡来の瓜なので、南瓜という名前になったようです。

辞書の中にはもう一つ西の瓜もあります。

すいか【西瓜】

〔「すい」は「西」の唐音、西域原産のウリの意〕畑に作る一年生つる草。実は丸くて大形で緑色。水分が多くて甘く、夏の代表的な果物とされる。〔ウリ科〕〔季語としては、秋〕

「新明解国語辞典 第七版」

こちらは西域から伝わった瓜なので、西瓜という名前に。

ところで南瓜や西瓜があるなら北瓜や東瓜もないのかな?と思い、手持ちの国語辞書を探してみたものの見つかりません。

ただ北の代わり(?)に、冬の瓜ならありました。

とうがん【冬瓜】

〔トウグワの変化〕畑に植える一年生のつる草。夏、黄色の花を開き、スイカに似た実がなる。普通、煮て食べる。かもうり。〔ウリ科〕

「新明解国語辞典 第七版」

冬瓜は夏野菜ですが、冬まで持つので「冬瓜」と呼ぶのだそう。

残る東に関係しそうな瓜だけは、残念ながら見つからず。

何か良さそうな瓜があったらぜひ情報提供をよろしくお願いいいたします。

 
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フィンランド語学習記 vol.411 − supersankari

16100901

一仕事終えた夜、ぼーっと Radio Suomipop を聞いていたら耳に残る一曲が。

クレジットを見ると Laura Närhi さんという人の「Supersankari」という曲でした。

何度か聞いた後、ふと「タイトルの supersankari ってどういう意味なのだろう?」という疑問が。(そんなこともわからずに聞いていたのです。)

Wiktionary で調べてみると、次のような意味が出ていました。

sankari

hero, heroine

「Wiktionary」

supersankari

superhero

「Wiktionary」

sankari は「ヒーロー」、supersankari は「スーパーヒーロー」の意味。

また語源に関して次のような説明ものっていました。

From a Germanic language, cf. Swedish sångare. Compare with Väinämöinen, the singing hero.

ここに比較として出てくるスウェーデン語の sångare は singer の意味。

同じ起源の単語が一方ではヒーローになり、一方では歌い手になるというのはおもしろい現象だと思います。

フィンランド語学習記 vol.410 − näyttää

16100801

『フィンランド語トレーニングブック』で既習文法の復習をしていたところ、次のような文が出てきました。

Mies näytti menestyvältä ihmiseltä.

(その男は成功する人間のように見えた。)

『フィンランド語トレーニングブック』P.177

フィン
näyttää show, seem, appear
menestyä be successful, succeed

 

ここでちょっと気になったのは näyttää という動詞の使い方。

後続の menestyvältä ihmiseltä がいわゆる離格[-ltA]の形になっています。

näyttää の後には離格が来るというルールがあるのだろうか?と思い、語法書の『Tarkista Tästä』を引いてみました。

NÄYTTÄÄ(verbi, transit)

näyttää + N all Näytä minulle, missä talossa sinä asut.
näyttää + että-lause Näytän heille, että olen oikeassa.

 

NÄYTTÄÄ(verbi, intransit)

näyttää + N abl
Hän näytti hyvin sairaalta.

これによると näyttää には他動詞(transit)と自動詞(intransit)の用法があるということがわかります。

そして他動詞のときは näyttää+向格[-lle]で「〜に見せる」、自動詞のときは näyttää+離格[-ltA]で「〜に見える」という意味になるよう。

他動詞 Näytä minulle, missä talossa sinä asut. どの家に住んでいるのか見せて。
自動詞 Hän näytti hyvin sairaalta. 彼はかなり具合が悪そうに見えた。

 

これを踏まえて冒頭の文に戻ってみましょう。

Mies näytti menestyvältä ihmiseltä.

(その男は成功する人間のように見えた。)

ここでの näyttää(〜に見える)は自動詞なので、後続の単語が離格の形になっているのでしょう。

とはいえ、なぜ離格になるのか?感覚的にはしっくり来ないのですが、ここはそのまま覚えるよりほかなさそうです。

 

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