爪は伸びるし、髪の毛も伸びる
人間生きていれば、爪は伸びるし、髪の毛も伸びる。
ただしその伸び方というのは、心持ち一つで変わるのかもしれません。
くづめらくがみ[苦爪楽髪](名)
苦労しているときは、つめののび方がはやく、楽をしているときは、かみの毛ののび方がはやい。〔逆に「苦髪楽爪」とも言う〕
「三省堂国語辞典 第七版」
最初にこの項を読んだときには「ストレスを感じると爪は伸びやすくなるのか?」「気持ちに余裕があると髪の毛は伸びやすくなるのか?」などと真剣に考えてしまいました。
ただよく見ると最後に〔逆に「苦髪楽爪」とも言う〕と注が付いているではありませんか。
「苦髪楽爪」だと意味は正反対になってしまいますから、もともと科学的根拠のある現象ではないのでしょう。とはいえ、昔から言い伝えられてきた言葉ならば、何らかの意味はあるはず。
改めて考えてみると、一生懸命に手仕事をしていると爪が伸びにくいという因果関係は成り立ちそうなので、楽爪(楽をする→爪が伸びる)は理に適っている気がします。
だとすると「苦爪楽髪」よりも「苦髪楽爪」を選びたくなりますが、苦髪(苦労する→髪の毛が伸びる)の理由が思い浮かびません。
むしろ苦労をすると、髪が白くなったり抜けたりする方が自然でしょう。
ということで個人的にもっとも納得感があるのは「楽爪楽髪」という結論になりました。みなさんの考えはいかがでしょうか?
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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