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鴉声(からすごえ)

17112401

「田島さん!」

出し抜けに背後から呼ばれて、飛び上らんばかりに、ぎょっとした。

「ええっと、どなただったかな?」

「あら、いやだ。」

声が悪い。鴉声というやつだ。

これは太宰治の「グッド・バイ」という小説で、主人公の田島が永井キヌ子という女性に新宿の闇市で声をかけられる場面。

最後の鴉声(からすごえ)という表現が気になって、ここで考え込んでしまいました。

(いつもこんな感じなので、短編ですら読み終えるのに時間がかかってしまいます。それはさておき、)

鴉声っていったいどんな声なのでしょう?

しかしいつものように国語辞書を引いてみても、これが出ていません。

それならとネットで検索しても、はっきりとした結果は得られず。

こうなると、もはや推測するしかありません。

カラスのような声ということですから、

  • 単純にやかましい
  • 威嚇する感じ
  • ガラガラ声、ダミ声

思いつくのはこんなところでしょうか。

いずれにしても、この場面を書いた時、太宰の脳裏にどんな声が響いていたのかは想像することしかできません。

みなさんならどんな声をイメージするでしょうか?

太宰の作品にはこういった独特な表現が多く、読んでいると、ついワードハンティングに走ってしまいます。

本当なら作品そのものに集中すべきなのですが、この性分はなかなか治りません。せっかくなのでまた面白い表現を見つけたら、シェアしたいと思います。

 

グッド・バイ
グッド・バイ

posted with amazlet at 17.11.24
(2012-09-27)

PET bottle

17112301

先日、ごみ出しの際にふと疑問に思ったこと。それは、

ペットボトルの「ペット」というのは何なのだろう?

ということ。

まさかイヌやネコのペットではないでしょうし、思い当たる語源がありません。

さっそく手持ちの英英辞書で調べてみると、次のような見出し語が出ていました。

PET

the abbreviation for ‘polyethylene terephthalateʼ (an artificial substance used to make materials for packaging food, including plastic drinks bottles)

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

これによると PET というのは polyethylene terephthalate(ポリエチレンテレフタラート)の略。

要はペットボトルの材料になっているプラスチックの名前なんですね。
(ただし PET の発音は「ペット」ではなく「ピーイーティー」)

なお「ペットボトル」という表現は和製英語とまでは言えないものの、英語では plastic bottle という呼称が一般的。

日本語ではそのプラスチックの種類にまで踏み込んで表現しているということになります。

日常的に使うカタカナ語でありながら、案外由来の知られていない言葉の一つではないでしょうか。

心をしずめる

17112201

どれだけ長く日本語とつきあっていても、時に迷ってしまうのが漢字の使い方。

最近も「心をしずめる」と書こうとして、どの漢字を当てるべきか悩んでしまいました。

候補は次の二つ。

しずめる[静める]シヅメル(他下一)

①しずかにする。

「鳴りをー」

②おちつかせる。

「気をー」

③勢いをおとろえさせる。

「あらしをー」

「三省堂国語辞典 第七版」

しずめる[鎮める]シヅメル(他下一)

①さわぎをおさめる。世の中を平和にする。

「反乱をー」

②いたみなどを軽くする。

「いたみをー」

「三省堂国語辞典 第七版」

この中で関係がありそうなのは、静める②の「おちつかせる」と鎮める②の「いたみなどを軽くする」の二つ。

「心をしずめる」の場合は前者に近いような気がするので、おそらく「心を静める」が正解なのでしょうか。

たださらに考えてみると、何か思い悩むことがあって心にいたみを感じているなら、それは比喩的であっても「いたみ」ですから、「心を鎮める」という表現もありなのかもしれません。

例えばこんな使い分けはありでしょうか?

今年のクリスマスプレゼントは何かなー、とそわそわして仕事に集中できない。
→心を静めましょう
今年のクリスマスも一緒に過ごす人がいないので、憂鬱で仕事に集中できない。
→心を鎮めましょう。

もちろん「静める」と「鎮める」の境界はそんな明確に線引きできないという可能性もあるでしょう。

あるいはもっと別のこんな使い分けがありますよ、という情報があればぜひ教えていただければと思います。

 
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フィンランド語学習記 vol.520 − 後置詞あれこれ(4)

17112101

フィンランド語の後置詞に関するエントリーの続きです。

フィンランド語学習記 vol.517 − 後置詞あれこれ(1)

フィンランド語学習記 vol.518 − 後置詞あれこれ(2)

フィンランド語学習記 vol.519 − 後置詞あれこれ(3)

先日のエントリーで紹介したフィンランド語の後置詞の中にこんなセットがありました。


〔行く〕

〔ある〕
から
〔来る〕
väliin
(間へ)
välissä
(間に)
välistä
(間から)

 

これらの後置詞はいわゆる内部格(入格、接格、出格)の形になっていますが、実は次のような外部格(向格、接格、離格)の形をしたセットも存在します。


〔行く〕

〔ある〕
から
〔来る〕
välille
(間へ)
välillä
(間に)
väliltä
(間から)

 

意味は同じ「間へ、間に、間から」なのに、いったい何が違うのでしょう?

フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』には次のような説明が出ていました。

Kissa on pöydän ja television välissä, mutta Hämeenlinna on Helsingin ja Tampereen välillä. Jos on kaksi paikkakuntaa, niin on tavallisesti välillä. Samoin jos me puhumme ajasta: Tulen kotiin kolmen ja neljän välillä. Myös abstraktisesti: Mikä ero on postposition ja preposition välillä?

『suomea suomeksi 2』P.109

ここでは välissä の代わりに valillä を用いる3つのケースが紹介されています。

順に見ていきましょう。

 

1)地域

Hämeenlinna on Helsingin ja Tampereen välillä.
(ハメーンリンナはヘルシンキとタンペレの間にある。)

ある地域とある地域の「間」という意味を表すときには välillä を用います。

 

2)時間

Tulen kotiin kolmen ja neljän välillä.
(3時と4時の間に家に帰る。)

何時と何時の「間」という意味を表すときには välillä を用います。

 

3)抽象的

Mikä ero on postposition ja preposition välillä?
(後置詞と前置詞の間にはどんな違いがあるのか?)

抽象的なもの同士の「間」を表すときには välillä を用います。

 

以上、värissä の代わりに värillä を用いる3つのケースをまとめてみました。

そもそもフィンランド語において、内部格(入格、接格、出格)を使うのか、外部格(向格、接格、離格)を使うのかという選択は理屈で割り切れない部分もあります。

今回の värissä と värillä の使い分けも考えるより慣れるしかないのかもしれません。

フィンランド語学習記 vol.519 − 後置詞あれこれ(3)

17112001

昨日と一昨日のエントリーでは、フィンランド語の後置詞を扱いました。

フィンランド語学習記 vol.517 − 後置詞あれこれ(1)

フィンランド語学習記 vol.518 − 後置詞あれこれ(2)

そこで紹介したのは例えば次のような文。

Kissa on television päällä.(ネコはテレビの上にいる。)

しかしフィンランド語を始めたばかりの頃には、次のような文を作っていたはずです。

Kissa on pöydällä.(ネコはテーブルの上にいる。)

「テーブルの上」と言いたいときには「テーブル」を意味する poytä の接格 pöydällä を用いるのに対して、「テレビの上」と言いたいときには「上に」を意味する後置詞 päällä を用います。

この違いはいったいどこから来るのでしょう?

テキストを読んでいたら、その理由が次のように説明されていました。

Kissa on pöydällä, mutta television päällä. Jos on epätavallinen paikka, niin käytetään postpositiota päällä. Lattialla, matolla, tuolilla, pöydällä, hyllyllä jne., mutta television päällä, pään päällä, jääkaapin päällä, lampun päällä jne.

『suomea suomeksi 2』P.109

これによると、ネコが「普通いないような場所」にいるときには後置詞の päällä を用いるとのこと。

ということは、ネコが「普通いるような場所」にいるときには接格[-llA]を用いるということになります。

それぞれの使い分けは次のように示されています。

 

ネコが普通いるような場所(接格[-llA])

  • lattialla(床の上)
  • matolla(マットの上)
  • tuolilla(イスの上)
  • pöydällä(テーブルの上)
  • hyllyllä(棚の上)

 

ネコが普通いないような場所(後置詞 päällä)

  • television päällä(テレビの上)
  • pään päällä(頭の上)
  • jääkaapin päällä(冷蔵庫の上)
  • lampun päällä(電灯の上)

 

ネコを飼ったことがないので、ネコが普通どのような場所にいるのかはあまりよくわからないのですが、両グループの間に境界線があることは何となくわかります。

日本語ではどちらも「上」、英語ではどちらも on を使うところ、わざわざこんな使い分けをするフィンランド語はユニークだと改めて思います。

フィンランド語学習記 vol.518 − 後置詞あれこれ(2)

17111901

昨日のエントリーでは、フィンランド語の後置詞を扱いました。

フィンランド語学習記 vol.517 − 後置詞あれこれ(1)

今日もフィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』から例文を引用しつつ、様々な後置詞を見ていきたいと思います。

Kissa hyppää television päälle.(ネコはテレビの上へジャンプする。)
Kissa on television päällä.(ネコはテレビの上にいる。)
Kissa hyppää pois television päältä.(ネコはテレビの上からジャンプする。)
Kissa menee pöydän alle.(ネコはテーブルの下へ行く。)
Kissa on pöydän alla.(ネコはテーブルの下にいる。)
Kissa menee pois pöydän alta.(ネコはテーブルの下から出る。)

これらの例文から後置詞だけを抜き出すと次のようになります。


〔行く〕

〔ある〕
から
〔来る〕
päälle
(上へ)
päällä
(上に)
päältä
(上から)
alle
(下へ)
alla
(下に)
alta
(下から)

 

「上、下」の後置詞は語尾が規則的なので覚えやすいと思います。

さらにどーんと見ていきましょう。

Kissa menee pöydän ja teeveen väliin.(ネコはテーブルとテレビの間へ行く。)
Kissa on pöydän ja teeveen välissä.(ネコはテーブルとテレビの間にいる。)
Kissa menee pois pöydän ja teeveen välistä.(ネコはテーブルとテレビの間から離れる。)
Kissa menee teeveen viereen.(ネコはテレビの横へ行く。)
Kissa on teeveen vieressä.(ネコはテレビの横にいる。)
Kissa menee pois teeveen vierestä.(ネコはテレビの横から離れる。)
Kissa menee teeveen ääreen.(ネコはテレビの側へ行く。)
Kissa on teeveen ääressä.(ネコはテレビの側にいる。)
Kissa menee pois teeveen äärestä.(ネコはテレビの側から離れる。)
Kissa menee kukkien keskelle.(ネコは花々の中へ行く。)
Kissa on kukkien keskellä.(ネコは花々の中にいる。)
Kissa menee pois kukkien keskeltä.(ネコは花々の中から離れる。)

これらの例文から後置詞だけを抜き出すと次のようになります。


〔行く〕

〔ある〕
から
〔来る〕
väliin
(間へ)
välissä
(間に)
välistä
(間から)
viereen
(横へ)
vieressä
(横に)
vierestä
(横から)
ääreen
(側へ)
ääressä
(側に)
äärestä
(側から)
keskelle
(中へ)
keskellä
(中に)
keskeltä
(中から)

 

これらの後置詞を見て不思議に思うのは、

「横、側」がなぜ内部格の形なのか?
「中」がなぜ外部格の形なのか?

ということ。

つい vierellä, äärellä, keskessä などと言ってしまいそうになるので気を付けなければなりません。

昨日と今日のエントリーで紹介した後置詞は全部で24個。

実はフィンランド語の後置詞というのはまだまだ他にもあるのですが、まずは今回取り上げたものをしっかりと使いこなせるようにしていきたいと思います。

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