theism, atheism
Oxford Dictionaries の Word of the Day(今日の英単語)に選ばれていた theism という単語が気になったので調べてみました。
theism
NOUN
Belief in the existence of a god or gods, specifically of a creator who intervenes in the universe.
theism とは「有神論」、すなわちこの世界に神は存在するという信念を意味する英単語。
発音はスィーイズムとなります。
この theism という単語を見たことがないという人も、対義語の方なら見たことがあるかもしれません。
atheism
NOUN
Disbelief or lack of belief in the existence of God or gods.
atheism は「無神論」、すなわちこの世界に神は存在しないという信念を意味する英単語。
発音はエイスィーイズムとなります。
theism と atheism の違いは[a-]の一文字。
英語の接頭辞[a-]には打ち消し(not)の意味があります。
例えば、左右対称を意味する symmetry(シンメトリー)に対して、非対称を意味する asymmetry(アシンメトリー)などはカタカナ語として使われることもあるので、馴染みのある人も多いのではないでしょうか。
またこの theism と atheism のペアに関してもう一つ面白い事実は、atheism の方が単語としての成り立ちは古いということ。
Oxford Dictionaries の語源の欄には次のような記述があります。
theism
Origin
Late 17th century: from Greek theos ‘god’ + -ism.
atheism
Origin
Late 16th century: from French athéisme, from Greek atheos, from a- ‘without’ + theos ‘god’.
theism は17世紀の後半から使われているのに対して、atheism は16世紀の後半から使われています。
普通ならまず theism という単語があり、そこから atheism という単語が派生するのが自然な流れでしょう。しかしこのペアに関しては逆の順番になっています。
言葉の成り立ちを想像してみれば、キリスト教圏において神が存在するということは自明であり、わざわざ theism などという単語は必要なかったはず。
そのような社会に atheism という思想が出現したのち、では「神が存在するという思想はどのように表現したらよいのか?」という要請から theism という単語が生まれたのでしょう。
そういう意味で theism と atheism は生成の過程もユニークな単語のペアだと思います。