「昨」と「先」の違いとは?(2)
昨日のエントリーで昨日・先週・先月・昨年などの日本語における「昨」と「先」の使い分けについて考えました。
その後、辞書を眺めていたら、「昨○」という日本語の表現は思いのほか多いということがわかりました。
以下にいくつか拾ってみたいと思います。
昨日の一部分
昨日の一部分を意味する「昨○」には次のような表現があります。
さくぎょう[昨暁](名)
〔文〕きのうの夜明け(がた)。
「三省堂国語辞典 第七版」
さくちょう[昨朝](名)
〔文〕きのうの朝。(↔明朝)
「三省堂国語辞典 第七版」
さくゆう[昨夕](名)
〔文〕きのうの夕方。
「三省堂国語辞典 第七版」
さくばん[昨晩](名)
きのうの晩。〔「ゆうべ」よりも改まった感じ〕(↔明晩)
「三省堂国語辞典 第七版」
さくや[昨夜](名)
「ゆうべ」の、やや改まった言い方。
「ー来」
(↔明夜)
「三省堂国語辞典 第七版」
これらに対応する「先暁・先朝・先夕・先晩・先夜」という表現を探してみたところ、辞書に出ていたのは「先晩・先夜」の二つでした。
せんばん[先晩](名)
先夜。
「三省堂国語辞典 第七版」
せんや[先夜](名)
先日の夜。このあいだの夜。
「三省堂国語辞典 第七版」
昨年の一部分
昨年の一部分を意味する「昨○」には次のような表現があります。
さくしゅん[昨春](名)
〔文〕昨年の春。
「三省堂国語辞典 第七版」
さっか[昨夏](名)
〔文〕昨年の夏。
「三省堂国語辞典 第七版」
さくしゅう[昨秋](名)
〔文〕昨年の秋。
「三省堂国語辞典 第七版」
さくとう[昨冬](名)
〔文〕昨年の冬。
「三省堂国語辞典 第七版」
これらに対応する「先春・先夏・先秋・先冬」という表現を探してみたものの、辞書には見つかりませんでした。
まとめ
日本語で過去を振り返るときの表現としては「先○」よりも「咋○」の方がバラエティに富んでいるということがわかりました。
それだけに一つ前の週を「先週」、一つ前の月を「先月」と呼ぶようになった経緯が気になります。
これは単なる偶然なのでしょうか? それとも深い意味があるのでしょうか?
三省堂国語辞典 第七版
価格: ¥1,700(記事公開時)
カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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