山登り12ヵ月
自宅の本棚に並ぶ本は時間とともに変化してきます。
スペースは限られているので、並んでいるのはそのときに興味のある分野の本が中心。
自分の場合、最も多いのは言語に関する本や辞書の類。そしてこの一年で最も数が増えたのが料理の本と山の本。
特にこのところ気分がもやもやしているときに読みたくなるのが山の本です。
一種の現実逃避というか、清涼剤のようなものなのかなと思います。
その中でも今月繰り返し読んだのが四角友里さんの「山登り12ヵ月」という本。
近所の小さな本屋で見つけて、そのまま表紙買いをしたのですが、結果として毎晩手に取って眺めるような一冊になりました。
この本では北アルプス周遊から京都一周トレイルのような低山歩きまで様々な山行の記録が素敵な写真とともに掲載されています。
その肩肘張らない感じというか、等身大のまま山を楽しもうとする姿勢にすっかり共感してしまいました。
登山というのはいわゆる登山家と呼ばれる人のように命の危険と隣り合わせの冒険をしている人から、趣味としてハイキングを楽しんでいる人まで様々なレベルの人が並存するアクティビティ。
どのレベルで山と付き合うかというのは、その人の経験や年齢やそもそもどのように山と付き合いたいかという意思によって変わってくるものだと思います。
この本はそんな山との付き合い方において「こんな楽しみ方はどうだろう?」と新しい視点や工夫を提供してくれるような、そんな一冊。
そしてそういった視点や工夫というのは山行に限らず、私たちの日常ひいては人生においても大切なものなのだと思います。
その意味では登山未経験の人でも楽しめる本なのかもしれません。
ただこの本を読んだら山に行きたくなることは間違いなし!の一冊でもあります。
山と渓谷社 (2018-06-18)
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