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until と till のちょっとした話

Oxford Dictionaries のサイトで till という単語を調べたら、意味や解説と合わせてこんな解説動画が見られるようになっていました。

動画のテーマは until と till の違いや関係性について。

例えば “Until recently, 〜” のように文頭に置くときは till ではなく until を使うという指摘には「なるほど!」と思いました。言われてみるとたしかに “Till recently, 〜” のような表現は見たことがありません。

また驚いたのは until と till が違う語源の単語であるということ。

until

Origin

Middle English: from Old Norse und ‘as far as’ + till (the sense thus duplicated).

Oxford Dictionaries

till

Origin

Old English til, of Germanic origin; related to Old Norse til ‘to’, also ultimately to till.

Oxford Dictionaries

until は古ノルド語で as far as を意味する und に由来し、すでに英語に存在していた till と合わさって、until という語が生まれたとのこと。

until の短縮形が till というような単純な話ではないんですね。

まさに単語に歴史ありと感じさせてくれる面白いエピソードなのでシェアしておきます。

フィンランド語学習記 vol.701 − What are the special difficulties?

フィンランド語の難しい点をひとつだけ挙げるとしたら何になるでしょう?

英語で書かれたフィンランド語の文法書『Finnish: An Essential Grammar』でまっさきに挙げられているのは次の点です。

It is worth mentioning the areas of Finnish pronunciation, grammar and vocabulary which can cause most learning difficulty. The most difficult feature of the PRONUNCIATION of Finnish is the length (duration) of the sounds: differences of length very frequently serve to distinguish separate words. Compare pairs such as:

kansa people kanssa (together) with
tuli fire tulli customs
muta mud mutta but
muta mud muuta other (partitive case)
muta mud mutaa mud (partitive case)
tuulee it is windy tuullee it is probably windy

 

『Finnish: An Essential Grammar』P.8

これはつまり英語のネイティブスピーカーにとって kansa − kanssa、tuli − tulli のようなペアの発音を区別するのはとても難しいという話。

ただもちろん促音(っ、ッ)のある日本語のネイティブにとってこの区別はさほど難しくありません。

こういう説明を読むと言語の難しさというのはそれを判断する人のバックグラウンドによって変化する、相対的なものだということがよくわかります。

ただフィンランド語の格変化は万人にとっての高い壁のような気もするのですが、そのあたりも実は温度差があるのでしょうか?

 

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フィンランド語学習記 vol.700 − Bernie

候補者乱立の様相を呈している2020年のアメリカ大統領選挙。

先日は2016年の民主党予備選挙でヒラリー・クリントンと最後まで指名争いをしたバーニー・サンダースが出馬を表明しました。

現時点では最も知名度のある候補者ということで、フィンランド語学習者のためのやさしいフィンランド語によるニュースサイト「Yle Uutiset selkosuomeksi」でもこのニュースが取り上げられていました。

Bernie Sanders haluaa presidenttiehdokkaaksi

Senaattori Bernie Sanders haluaa USA:n demokraattipuolueen presidenttiehdokkaaksi ensi vuoden vaaleissa. Sanders haastoi tiukasti Hillary Clintonin demokraattien esivaaleissa 3 vuotta sitten. Hän sai paljon kannatusta etenkin nuorilta. Sanders puhui esivaaleissa esimerkiksi pohjoismaisesta ilmaisesta terveydenhuollosta ja koulutuksesta.

Bernie Sanders on 77-vuotias ja hän on Vermontin osavaltion senaattori.

バーニー・サンダースが大統領候補に意欲

バーニー・サンダース上院議員が来年の選挙においてアメリカ民主党の大統領候補として出馬することに意欲を示している。 サンダースは3年前、民主党の予備選挙においてヒラリー・クリントンに挑戦した。彼は特に若者からの支持を多く集めた。サンダースは予備選挙において北欧の無料の医療保険や教育の例を挙げて話した。

バーニー・サンダースは77歳で、バーモント州の上院議員である。

Yle Uutiset selkosuomeksi | Yle Uutiset | yle.fi

フィン
ehdokas candidate 候補者
senaattori senator 上院議員
puolue party
vaali election 選挙
haastaa challenge 挑戦する
tiukasti tightly きつく
esivaali primary election 予備選挙
kannatus support 支持
etenkin especially 特に
pohjoismainen Nordic 北欧の
ilmainen free of charge 無料の
terveydenhuolto health care 保険医療
koulutus education 教育
osavaltio state

 

puhua +[-stA]

Sanders puhui esivaaleissa esimerkiksi pohjoismaisesta ilmaisesta terveydenhuollosta ja koulutuksesta.

サンダースは予備選挙において北欧の無料の医療保険や教育の例を挙げて話した。

puhua +[-stA]は「〜について話す」の意味。

ここでは次の4つの単語が[-stA]の形になっています。

フィン
pohjoismainen Nordic 北欧の
ilmainen free of charge 無料の
terveydenhuolto health care 保険医療
koulutus education 教育

 

こういうのを見ると、どうしても「ご苦労様です!」と言いたくなりますね。

 

ひとこと

前回の民主党予備選挙の際には、いわゆるエリート代表のヒラリー・クリントン vs 庶民派代表のバーニー・サンダースというわかりやすさがありましたが、今回の選挙ではサンダースと似たような主張の候補者が多いので、どこまで存在感を発揮できるかは未知数。

果たしてどんな戦いになるのでしょうか?

独壇場と独擅場

飲み会からの帰り道、国語辞書アプリを眺めていたら面白い項目を見つけました。

☆☆どくだんじょう[独壇場](名)〔「独擅場ドクセンジョウ」の読みあやまりから〕

自分だけが活動する場所。ひとりぶたい。

「この分野は彼のーだ」

「三省堂国語辞典 第七版」

どくせんじょう[独×擅場](名)

→どくだんじょう。

「三省堂国語辞典 第七版」

これによると独壇場(どくだんじょう)という言葉は独擅場(どくせんじょう)の読みあやまりから生まれた表現であるとのこと。

つまり擅(せん)という漢字をうっかり(だん)と読み間違えているうちに、いつのまにか漢字の方も壇(だん)に変わってしまったということなんですね。

たしかに壇と擅はよく似ています。

壇(だん)

擅(せん)

改めてそれぞれの漢字を漢和辞典でチェックしてみました。

ダン・タン

①土で築かれた高い台。祭祀サイシ・謁見・盟約などの儀式を行った場所。「郊壇」「盟壇」

「全訳 漢辞海 第三版」

セン

①{ほしいままニス}

㋐一手に握る。思うがままに行う。

㋑すべてを占有する。ひとりじめにする。

㋒圧倒する。

「全訳 漢辞海 第三版」

これを見ると「どくだんじょう」という言葉にふさわしいのはよりであることがよくわかります。

またどんなに「正しい日本語とは」と語ってみたところで現実の変化の前では無力であるということをこの種の表現は示してくれます。

個人的にはこのようなテキトーなエピソードが大好きだったりするのですが。

 
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雄々しい、女々しい

男らしい、女らしいという考え方が批判される社会。世の中がジェンダーフリーの方向へ進むことには基本的に賛成ですが、日本語にはそんな考え方と真っ向から対立するような表現も数多く残っています。

例えばこんな表現。

おおしい[雄々しい・▽男々しい](形)

(男らしくて)勇ましい。

「ー山容」

(↔女々しい)

「三省堂国語辞典 第七版」

めめしい[女々しい](形)

男でありながら(女のように)〈弱々しい/いくじがない〉。

「ー男だ」

(↔雄々しい)

「三省堂国語辞典 第七版」

雄々しいが褒め言葉なのに対して、女々しいはいわゆる貶し言葉。

現在の基準に照らせば、男尊女卑的と言われても仕方ないでしょう。

また雄々しいが人間以外のもの(例文の山容など)にも広く使われるのに対して、女々しいは主として人間の男性に使われます。

そのこともある意味では男尊女卑的と言えるのかもしれません。

言葉表現におけるジェンダーというのはなかなかややこしい問題です。このような表現に接すると「女々しくたっていいじゃないか!」と言いたくなるのですが、そういう問題ではないんですよね。

 
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choir

chorus

NOUN

A part of a song which is repeated after each verse.

Oxford Dictionaries

choir

NOUN

An organized group of singers, especially one that takes part in church services or performs in public.

Oxford Dictionaries

chorus は「合唱」、choir は「聖歌隊」を意味する英単語。

お互いによく似た単語ですが、発音はずいぶん異なります。

chorus はともかく、choir の発音がわかる人はかなりの英語通かもしれません。発音記号はこんな感じです。

chorus /ˈkɔːrəs/

choir /ˈkwʌɪə/

choir の /w/ の音はどこからやってきたのでしょう?

Oxford Dictionaries のサイトには語源の説明も出ていました。

Origin

Middle English quer, quere, from Old French quer, from Latin chorus (see chorus). The spelling change in the 17th century was due to association with Latin chorus and modern French choeur.

これによると、choir は次のような流れで現代英語に入ってきたようです。

Latin
(ラテン語)
chorus
Old French
(古フランス語)
quer
Middle English
(中英語)
quer, quere
Modern English
(近代英語)
choir

 

最後の quer, quere → choir の変化がずいぶん急ですね。

これはさきほどの Oxford Dictionaries の説明によれば、ラテン語(chorus)やフランス語(choeur)の影響で綴りが変化した結果とのこと。

ただ choir /ˈkwʌɪə/ の /w/ の音がどこからやってきたのかはわからずじまい。いろいろと謎の多い英単語ではあります。

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