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ぜんまい仕掛けのように

photo credit: John C Williams via photopin cc

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普段、フィンランド語の単語の意味を調べるときには、「フィン・日辞書」と「フィン・英辞書」を併用しています。

最近はどちらかというと「フィン・日辞書」を使うことが多いのですが、たまに「フィン・英辞書」を使うと思いがけない発見をすることも。

先日、フィンランド語のテキストを読んでいて sujuvasti という単語の意味がわからなかったので「フィン・英辞書」を引いてみました。

するとシンプルにこんな記述が。

sujuvasti

like clockwork

??

clockwork は「ぜんまい仕掛け、時計仕掛け」という意味。

スタンリー・キューブリック監督の『A Clockwork Orange』という映画もありました。

しかし「like clockwork=ぜんまい仕掛けのよう」とはどういうことでしょう?

意味がわからなかったので、さらに英和辞書を引いてみました。

like clockwork

規則正しく、正確に;スムーズに、すらすらと

『ジーニアス英和大辞典』

like clockwork で fluently, smoothly の意味になるんですね。

clockwork にこんな使い方があったとは知りませんでした。

これはほんの一例ですが、「フィン・英辞書」を使っていると、時々このように思いがけない表現に出会うことも。

こんなときには、何だかちょっとだけ得をした気分になります。

群青

photo credit: kern.justin via photopin cc

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子どもの頃使っていた色鉛筆やクレヨンの中では「ぐんじょういろ」がお気に入りでした。

普通の青よりも、どこか力強さを感じていたのだと思います。

ぐんじょう【群青】

①岩群青(いわぐんじょう)の略。

②(ultramarine)青金石(lazurite)という鉱物から作る青色の顔料。ラピス−ラズリ(lapis lazuli)とも呼び、古来アフガニスタン産のものが有名。18世紀にヨーロッパで、粘土・炭酸ナトリウム・木炭・石英・硫黄の混合物を加熱して、天然産と同じものをつくった。現在はこの人造石(ウルトラマリン−ブルー)を主に使用。

『広辞苑 第五版』

青が群れると書いて群青(ぐんじょう)。

群青というのはもともと天然の顔料の名前なんですね。

また語義の中に ultramarine と lapis lazuli という二つの英単語が出てきました。

どこか神秘的なこれらの単語の由来を見てみましょう。

ultramarine (n.)

1590s, “blue pigment made from lapis lazuli,” from Medieval Latin ultramarinus, literally “beyond the sea,” from ultra- “beyond” + marinus “of the sea” (see marine (adj.)). Said to be so called because the mineral was imported from Asia.

『Online Etymology Dictionary』

ultramarine は beyond the sea「海を越えて」の意味。ラテン語に由来しています。

海を越えてやってくる貴重な顔料だったということなのでしょう。

lapis lazuli (n.)

early 15c., from Middle Latin lapis lazuli, literally “stone of azure,” from Latin lapis “stone” + Medieval Latin lazuli, genitive of lazulum, from Arabic lazuward

『Online Etymology Dictionary』

lapis lazuli は stone of azure「空色の石」の意味。こちらもラテン語に由来しています。

空色の石を最初に見つけた人はきっと感動したことでしょう。

なお厳密には、lapis lazuli というのは天然の鉱石の名前、ultramarine というのはそこから造られる顔料の名前なのだとか。

しかし ultramarine の訳語には「群青色」、lapis lazuli の訳語には「瑠璃色」という別の色名が当てられることも。

ぐんじょういろ【群青色】

群青のような鮮麗な藍青色

 

るりいろ【瑠璃色】

①紫色を帯びた紺色

②襲(かさね)の色目。浅葱(あさぎ)色の異称。

『広辞苑 第五版』

この二つの色はなかなか見分けるのが難しいですが、日本工業規格の「JIS慣用色名」では次のようなカラーコードが指定されています。

群青色 000000000000

 

瑠璃色 000000000000

 

瑠璃色の方が少し淡いのかなという印象がありますね。

冒頭の話に戻ると、子どもの頃使っていた色鉛筆やクレヨンに「るりいろ」があったのかどうかはまったく思い出せません。

あったのかもしれないし、なかったのかもしれない。

今となってはすっかり忘却の彼方になってしまいました。

フィンランド語学習記 vol.182 − リーサの家、シベリウスのサウナ

photo credit: Kimmo Räisänen via photopin cc

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本日はふたたびフィンランド語の語形変化の話。

まずは下記をご覧ください。

Liisa(リーサ)
Liisan talo(リーサ家)

フィンランド語では、単語の末尾に[-n]を付けると「〜の」の意味になります。

これは簡単。

それでは「シベリウスのサウナ」と言いたいときには、どのようなフィンランド語になるでしょうか?

Sibelius(シベリウス)
                     sauna(シベリウスのサウナ)

さきほどと同じように Sibelius-n としたいところですが、さすがにフィンランドが誇る大作曲家シベリウス。一筋縄ではいきません。

正解はこちら。

Sibelius(シベリウス)
Sibeliuksen sauna(シベリウスサウナ)

??

何だか変わった形になりました。

Sibelius のように語末が[-us][-ys][-Os]で終わる単語は、格変化の際に語幹が[-s]から[-kse]に変化することがあります。

なお Sibelius の属格を作る際のプロセスを細かく追跡すると次のとおり。

Sibelius 語幹をもとめる Sibeliukse
Sibeliukse [k, p, t]の変化なし Sibeliukse
Sibeliukse 格語尾[-n]を付ける Sibeliuksen

 

これはもちろん人名だけではなく、一般的な単語にも当てはまります。

[主格]kysymys(質問)
[属格]kysymyksen(質問の)

やや複雑ですが、とにかく語尾が[-us][-ys][-Os]の単語に注意しておけば大丈夫!

。。。と思っていたら、手元の『フィンランド語文法ハンドブック』に次のような記述が。

ananas「パイナップル」、lihas「筋肉」、teräs「鋼鉄」、aines「材料、資料」、vihannes「野菜」、jänis「ウサギ」、tennis「テニス」などのように、-as,  -äs,  -es,  -is で終わる語の中にも -s が -kse に変化するものがあります。

『フィンランド語文法ハンドブック』 P.56

こうしてみると、よく使う単語の中に[-kse]の仲間は意外と多いのかも。

そして tennis の属格は tenniksen(テンニクセン)になるのですね。これも何だか奥深し。

バターの花、ライオンの歯

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photo credit: Dawn Endico via photopin cc

フィンランド語で「タンポポ」は voikukka(ヴォイクッカ)。

voi は「バター」、kukka は「花」の意味。

「バターの花」というのは、おそらくタンポポの色からの連想なのでしょうか?

何だか食欲をそそるような名前ですね。

一方、英語で「タンポポ」は dandelion(ダンデライオン)。

これは「ライオンの歯」という意味のフランス語に由来するのだとか。

dandelion (n.)

early 15c., earlier dent-de-lioun (late 14c.), from Middle French dent de lion, literally “lion’s tooth” (from its toothed leaves), translation of Medieval Latin dens leonis.

『Online Etymology Dictionary』

タンポポのギザギザした葉をライオンの歯に見立てたということのよう。

花ではなく、葉の方から名付けるというのは何だか意外ですね。

それでは日本語の「タンポポ」はどのような由来の単語なのでしょう?

タンポポはもと鼓を意味する小児語であった。江戸時代にはタンポポはツヅミグサ(鼓草)と呼ばれていたことから、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったのが通説であるが、その他にも諸説ある。

Wikipedia「タンポポ」より

「タンポポ」は、タンタン、ポンポンと鼓を叩く音から来ているという説。

そう言われてみると、タンポポというのはとてもリズミカルな単語だということに気付かされます。

同じ花が、バターになったり、ライオンの歯になったり、鼓を叩く音になったり、人間の想像力というのはおもしろいものだなあと思います。

フィンランド語学習記 vol.181 − 曜日と日付の尋ね方

photo credit: RobW_ via photopin cc

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ある日のフィンランド語教室にて。

先生がふと一言。

Mikä päivä tänään on?[ミカ パイヴァ タナーン オン]

mikä は「何」、päivä は「日」、tänään は「今日」の意味なので、そのまま訳せば「今日は何の日?」となります。

これを聞くと「えーと、今日は23日」などと日付を思い浮かべてしまうのですが、実際には曜日を尋ねるときのフレーズです。

Mikä päivä tänään on?(今日は何曜日ですか?)
Tänään on keskiviikko.(今日は水曜日です。)
*keskiviikko(水曜日)

日本語では、曜日を尋ねるとき、必ず曜日という単語を付けて「何曜日?」と言います。

そのため、曜日という単語のないフレーズから、ぱっと曜日を連想するのがなかなか難しいような。(自分だけ?)

それでは日付を尋ねるときには、どのように言えばよいのでしょうか?

Monesko päivä tänään on?(今日は何日ですか?)
Tänään on kahdeskymmeneskolmas päivä huhtikuuta.(今日は4月23日です。)
*monesko(何番目の)、kahdeskymmeneskolmas(23番目の)、huhtikuu(4月)

こちらはそのまま訳せば「今日は何番目の日?」の意味。さきほどの曜日と比べればわかりやすい表現ですね。

一方、日本語では、日付を尋ねるとき、○番目という表現は使わず「何日?」と言います。

そのためフィンランド語の母語話者は、日本語の「何日?」という表現から、もしかしたら曜日を連想してしまうのではないでしょうか。

もう一度、整理すると、

フィン
曜日 Mikä päivä tänään on?
(今日は何の日ですか?)
今日は何曜日ですか?
日付 Monesko päivä tänään on?
(今日は何番目の日ですか?)
今日は何日ですか?

*(  )内は逐語訳

こうして見ると、フィンランド語の曜日の尋ね方と日本語の日付の尋ね方は似ているなあという印象。いや似ているというより、全く同じですよね。

これは混乱するのも納得。と腑に落ちました。

もったいないの英訳は? − ことばとコトバの境界線

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もったいない【勿体ない】

1. 神仏・貴人などに対して不都合である。不届きである。

2. 過分のことで畏れ多い。かたじけない。ありがたい。

3. そのものの値打ちが生かされず無駄になるのが惜しい。

『広辞苑 第五版』

いかにも日本的な価値観の一つである「もったいない」。

英語でこれに近い単語はあるのかな?と思い、Google 翻訳で英訳してみました。

もったいない → Too good

たしかに!

ただしこれはさきほどの広辞苑の語義で言うと2番の意味。

一般的に「もったいない」という単語から思い浮かべるのは「まだ食べられるお弁当を捨てるなんてもったいない」のような3番の意味ではないでしょうか。

こちらの意味に近い英単語には wasteful があります。

しかし wasteful という単語からは「もったいない」が内包するさまざまなイメージがこぼれ落ちてしまっているような気がしませんか。

この「もったいない」のように日本語には英語に訳すのが難しい形容詞がたくさんあります。

そのいくつかを拾ってみました。

 

おんきせがましい【恩着せがましい】

恩に着せて相手に感謝を強いるさまである。

『広辞苑 第五版』

Google 翻訳で英訳すると、

恩着せがましい → Condescending

condescend は「へりくだる、恩着せがましくする」という意味の動詞。

これはなかなかぴったりの英単語かもしれません。

 

ちゃんちゃらおかしい

非常に滑稽だ。笑止千万である。

『広辞苑 第五版』

Google 翻訳で英訳すると、

ちゃんちゃらおかしい → Chancharaokashii

これはさすがの Google 翻訳も変換できず。強いて挙げるなら ridiculous でしょうか?

 

なみだぐましい【涙ぐましい】

ひとりでに涙が出てくる感じがする。涙をもよおしがちである。

涙が出るほど感心である。また、哀切なさまである。

『広辞苑 第五版』

Google 翻訳で英訳すると、

涙ぐましい → Touching

touching は「感動的な」という意味の形容詞。

涙ぐましいの同情的なニュアンスはあまり伝わっていないような気も。

 

ふがいない【腑甲斐無い】

いくじがない。気概・気力に欠けている。

『広辞苑 第五版』

Google 翻訳で英訳すると、

ふがいない → Shiftless

shiftless の shift はもともと「工夫」の意味。そこから「怠惰で、やる気がない」の意味になりました。

これはなるほどなーという英訳ですね。

 

めまぐるしい【目まぐるしい】

目の前をいろいろなものが次から次へと通りすぎて、目のまわるような感じである。

『広辞苑 第五版』

Google 翻訳で英訳すると、

目まぐるしい → Hectic

hectic は「たいへん忙しい」という意味の形容詞。

細かいことを言えば、目まぐるしいというのは、ものごとの動きが速いということであり、そのことによって忙しくなるかならないかはまた別の話とも思いますが、どうでしょうか。

 

以上、これはなかなか英語に訳せないのでは?と感じた日本語の形容詞を集めて、英語に変換してみました。

さすがに訳し切れないものもありましたが、全体的には上手い訳をひねり出してくるなあという印象。

結局のところこのような事例から、あらゆる言語は翻訳可能と言うこともできるし、翻訳不可能と言うこともできます。

どちらの立場をとっても、一つの解釈に過ぎないのではないでしょうか。

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