『楽しく、ラクに、シンプルに!英語ハックス』佐々木正悟、堀 E.正岳著
佐々木正悟さん、堀正岳さんの著書『楽しく、ラクに、シンプルに!英語ハックス』を読みました。
タイトルのとおり、英語学習にまつわる様々なハックス(工夫やコツ)をまとめた本です。
2009年出版の本ですので、紹介されているガジェットやウェブサービスには古くなってしまったものもありますが、それ以外の基本的な考え方は十分役に立つものばかりです。
その中から、特に共感した点を以下に紹介してみたいと思います。
「日本人の耳」は気にしないと決める
たとえ拙い英語であってもネイティブスピーカーと意志の疎通はできるのに、隣に日本人がいるというだけで、その人の評価を気にしてついつい慎重になってしまう。
おそらく心当たりのある人も多いのではないでしょうか。
私も以前はそういった評価が気になったことがありましたが、海外で暮らし様々な訛りの英語を耳にするうちに、いつのまにかほとんど気にならなくなりました。
英語の発音が美しいか美しくないかというのは、人によって感じ方が違います。何よりアメリカ人にそれが通じているのに、それを日本人が問題にするような場合、その基準の客観性などまったく合理的ではありません。
P.45
発音やアクセント、流暢さといったものに必要以上に拘泥する人もいますが、これから上達しようとするのであれば、評価するより、評価される立場に身を置いた方が得られるものは多いと思います。
ばかばかしいほど小さなことから始める
英語学習の一環として、英語で日記を付けたり、ブログを書いたりしている人も多いと思います。
それはもちろん有効な勉強法だと思いますが、問題はそれをどうやって習慣化するかということにあります。
気合いを入れて始めたものの、1か月もしないうちに頓挫してしまったという人もいるのではないでしょうか。
例えば、最初に300語程度の日記を書いた場合、何となくそれが標準になってしまい、それ以降も同等の分量を書かなければと脳が勝手な縛りをかけてしまうことがあります。
すると、疲れているときなど「あの分量を書くのは大変だな」と思ってしまい、ずるずると先延ばしということになりかねません。
大変そうだ。
つらそうだ。
きつそうだ。
そんな時間はない。
もっと気持ちが乗っているときに。
そういう気持ちにほんの少しでもなるなら、脳はすでに「警戒信号」を送っているということです。そんな警戒信号が毎日鳴り響くようでは、英語の勉強などやらなくなってしまいます。
P.124
そこで、本書では「朝一番に思いついた英語をとにかく書いてみる」ことを推奨しています。
ハードルは低い方がいいので、一日一文だけでもよいということにしておくと、取りかかるための心理的な障壁をより低くすることができるかもしれません。
実際に書き始めてみれば、それ以上書けることが多いでしょうし、たとえ一文で終わったとしても、途中で頓挫するよりは遥かに良いでしょう。続けてさえいれば、次の日はもっと書けるかもしれないのです。
まとめ
本書では具体的な教材や、TOEIC/TOEFLなどの試験対策についても触れられているのですが、今回は心構え的な内容の二点を紹介してみました。
英語学習に興味のある人なら、書棚に並べておいて損のない本だと思います。
やや古い本なのでお近くの書店にない場合は、Amazon に在庫があるようです。私は某大型書店の英語本コーナーをうろうろしていたら、たまたま見つけて購入しました。リアルな書店にはこういう偶然の出会いがあるので、やはり書店通いはやめられません。
日本実業出版社
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