「昨」と「先」の違いとは?
日本語で過去を振り返るときの表現には、「昨」という漢字を使うものと「先」という漢字を使うものがあります。
- 昨日
- 先週
- 先月
- 昨年(去年)
これは考えてみるとなかなか奇妙なルール。 英語と比較してみましょう。
昨日 | yesterday |
先週 | last week |
先月 | last month |
昨年 | last year |
英語の場合、昨日を意味する yesterday 以外はすべて last で表すことができます。
なぜ日本語には「昨」と「先」という二つの表現が混在しているのでしょう?
またこの二つに何か本質的な違いはあるのでしょうか?
ちなみに国語辞書を引いてみると、昨日・先週・先月・昨年の「昨」と「先」を入れ替えた表現も見つかります。
このうち漢字を入れ替えることで明確に意味が変わるのは「昨日→先日」。
せんじつ【先日】
昨日・一昨日などよりもさらに少し前のある日。このあいだ。〔副詞的にも用いられる〕
「ー来ライ〔=この間(から)〕」
「新明解国語辞典 第七版」
「先週→昨週」「先月→昨月」の場合はほぼ意味は変わらず。
さくしゅう 【昨週】
「先週」の、やや固い表現。
「新明解国語辞典 第七版」
さくげつ[昨月](名)
〔文〕先月。
「三省堂国語辞典 第七版」
「昨年→先年」は冒頭の「昨日→先日」の関係に近いようです。
せんねん【先年】
以前の年。〔「前年」よりは遠い時点を指す〕
「新明解国語辞典 第七版」
こうして見ると「昨」というのは一つ前を意味する漢字なのに対して、「先」はそれ以前も含めた過去を指す漢字なのだろうということは推察できます。
ただ「先週」や「先月」という表現はあくまで一つ前を意味する表現なので、上記のルールが全てに適用できる訳ではありません。
このテーマはなかなか奥深いので、もう少し考えてみたい気がします。
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