フィンランド語学習記 vol.810 − unohtaa
日本語の「忘れる」を英語に訳す時には意味に応じて、forget, leave という二つの動詞を使い分ける必要があります。
I forgot to bring my wallet.
(私は財布を持ってくるのを忘れた。)
(私は財布を持ってくるのを忘れた。)
I left my wallet at home.
(私は家に財布を置き忘れた。)
「忘れる」という日本語から真っ先に連想する動詞はおそらく forget でしょうが、「〇〇へ置き忘れる」と言いたいときには leave を使うのが普通。
(私は家に財布を置き忘れた。)
フィンランド語で「忘れる」を意味する動詞 unohtaa にもこのあたりの使い分けはあるのでしょうか?
語法書の『Tarkista Tästä』を調べてみました。
UNOHTAA(verbi, transit)
unohtaa + N ill/all Unohdin lompakon kotiin.
Unohdin avaimen eteisen pöydälle.unohtaa + V 1. inf Unohditko taas maksaa laskun ajoissa?
Älä unohda ostaa myös maitoa!
『Tarkista Tästä』P.155
例文をざっと訳すとこんな感じでしょうか。
私は財布を家に置き忘れた。
私は鍵を玄関のテーブルの上に置き忘れた。
あなたは期限内に請求書の支払いをするのをまた忘れたのですか?
牛乳を買うのも忘れないで!
私は鍵を玄関のテーブルの上に置き忘れた。
あなたは期限内に請求書の支払いをするのをまた忘れたのですか?
牛乳を買うのも忘れないで!
これを見るとフィンランド語の unohtaa は英語の forget, leave の両方の意味を包括している、つまり日本語の「忘れる」とほぼ重なっていることがわかります。
そういう意味では日本語の母語話者にとって英語の forget より気軽に使える動詞と言えそうです。