大辞林に見る北欧語の特徴
先日第四版が発売された大辞林で「フィンランド語」を引くとこんな説明が出ていました。
フィンランドご【ー語】
フィンランドの公用語。フィン‐ウゴル語派に属する。名詞の格形式が豊富であるのが特徴。フィン語。スオミ語。
「大辞林 第四版」
百科事典的な説明だけでなく「名詞の格形式が豊富であるのが特徴」という情報が添えられているのが面白いところ。
他の北欧語の特徴はどのように説明されているのか気になったので調べてみました。
アイスランドご【ー語】
インド‐ヨーロッパ語族のゲルマン語派北ゲルマン語群に属する言語。ラテン文字を基本とし、いくつかの特殊文字を用いる。他のゲルマン語に比べて、古形を比較的多く残す。アイスランド共和国の公用語。
「大辞林 第四版」
スウェーデンご【ー語】
スウェーデン王国の公用語。ただし、フィンランド共和国の一部でもフィンランド語とともに公用語とされている。インド‐ヨーロッパ語族ゲルマン語派に属す。他のゲルマン諸語と違って強弱と高低のアクセントをもつ。
「大辞林 第四版」
デンマークご【ー語】〔Danish〕
デンマークの公用語。インド‐ヨーロッパ語族中のゲルマン語派北ゲルマン諸語の一。ノルウェー語・スウェーデン語に近い。発音面でストゥードと呼ばれる声門閉鎖音が特徴。
「大辞林 第四版」
ノルウェーご【ー語】
ノルウェーの公用語。インド‐ヨーロッパ語族のゲルマン語派北ゲルマン諸語の一。二つの文章語をもつが、普通ボックモール(旧リクスモール)といわれるデンマーク式ノルウェー語をさす。
「大辞林 第四版」
言及されている各言語の特徴をざっとまとめるとこんな感じ。
- フィンランド語 =名詞の格形式が豊富であるのが特徴。
- アイスランド語 =ラテン文字を基本とし、いくつかの特殊文字を用いる。他のゲルマン語に比べて、古形を比較的多く残す。
- スウェーデン語 =他のゲルマン諸語と違って強弱と高低のアクセントをもつ。
- デンマーク語 =発音面でストゥードと呼ばれる声門閉鎖音が特徴。
- ノルウェー語 =二つの文章語をもつが、普通ボックモール(旧リクスモール)といわれるデンマーク式ノルウェー語をさす。
フィンランド以外の北欧語は互いに似通っているという印象がありましたが、それぞれ他にはない特徴もあるんですね。一言であってもこんな情報を得られるのなら、辞書の引きがいもあるというものです。