ネガティブな味覚

世の中には甘いものが好きな人もいれば、辛いものが好きな人もいます。

あるいは酸っぱいものが好きな人もいれば、苦いものが好きな人だっています。

ただ辞書を眺めてみると、このような味覚を表す日本語には必ずネガティブな意味が含まれていることがわかります。

あまい[甘い](形)

⑤ゆるかったり、するどさがなかったりして、よくない。ゆるい。

「ねじがー・切れ味がー・ガードがー」

(↔固い)

「三省堂国語辞典 第七版」

からい[辛い](形)

③よしあしの決め方が、きびしい。きつい。

「点がー」

「三省堂国語辞典 第七版」

しょっぱい(形)

③〔俗〕不景気なようすだ。けちくさい。つまらない。

「ー店・ー話・〔プロレスの〕ー試合」

「三省堂国語辞典 第七版」

にがい[苦い](形)

②二度と味わいたくない つらい感じだ。

「ー思い・ー経験」

「三省堂国語辞典 第七版」

もちろん「甘い」のようにポジティブな意味を含む言葉もありますが、全体的にはネガティブな意味の方が目立ちます。

人間とこの世界の大切な接点である味覚を表す言葉にこのような負の感情が付着する理由は何なのでしょう? 掘り下げてみると面白そうなテーマです。