13番目の月
明日からは12月。一年もいよいよ締めくくりに向かいます。
ただ言葉の世界においては、12月というのは必ずしも最後の月ではないようで、、、
Undecimber
A fictitious thirteenth month of the Western calendar.
「Wiktionary」
Undecimber は「13月」を意味する英単語。
、、、と言われた人の頭の中には、
13月というものが存在するとして、なぜそれが Undecimber という名前なのか?
という二つの疑問が浮かんでいるかもしれません。
順に見ていきましょう。
13月とは何なのか?
さきほどの Wiktionary の語義では、Undecimber = fictitious thirteenth month となっていましたが、13月はかつて実在したこともありました。
この秘密を解く鍵はこちら。
たいいんたいようれき[太陰太陽暦](名)
太陰暦にうるう(閏)月を入れて、季節とのずれを少なくしたこよみ。陰暦。旧暦。
「三省堂国語辞典 第七版」
太陽の動きに基づいた太陽暦では一年は365日。
月の満ち欠けに基づいた太陰暦では一年は354日。
そのため太陰暦では閏月(うるうづき)を設定することで、この差分を調整していました。
よって太陰暦の時代には、13番目の月が実在していたということになります。
13月というものが存在するとして、なぜそれが Undecimber という名前なのか?
12月を意味する英単語 December の中には、10を意味するラテン語 decem が入っています。
なぜ12月なのに10なのか?
これは初期のローマ暦において、January(1月)と February(2月)が存在しておらず、暦が March(3月)から始まっていたため。
後から1月と2月を追加したために、数字が2つずつずれてしまったんですね。
よって December に続く13番目の月の名は、11を意味するラテン語 undecim に基づいて Undecimber となりました。
もちろん現代において、13月はフィクションの中にしかありません。
しかしもし数年に一度の13月があったなら、それは人生のボーナスタイムのような、ちょっと嬉しい贈り物なのではないかと思います。
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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