フィンランド語学習記 vol.817 − tavattavissa

以前使っていたフィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi』を久しぶりに読み返していたら次の文が目にとまりました。

Onkohan Heli Nieminen tavattavissa?

ヘリ・ニエミネンさんはお手すきですか?

「suomea suomeksi」P.99

このときは tavattavissa という単語を「会うことができる」という意味で習った記憶がありますが、今の目で眺めてみるとこれは動詞 tavata の受動現在分詞 tavattava の複数内格であることがわかります。

動詞 tavata を分詞ボックスに入れてみるとこんな感じに。

タイプ4 tavata(会う)

能動 受動
現在分詞 tapaava tavattava
過去分詞 tavannut tavattu

 

参考:フィンランド語学習記 vol.779 − 分詞ボックス

この tavattavissa はよく使われる表現ということで、そのまま辞書の見出し語にもなっていました。

tavattavissa[タヴァッタヴィッサ]

会うことができる、電話に出ることができる:

Onko Emma tavattavissa?
エンマはいらっしゃいますか?

「パスポート初級フィンランド語辞典」

それにしてもなぜこの形で「〜できる」という意味になるのでしょう?

文法書をめくってみると、次のような説明を見つけました。

受動現在分詞 tehtävä の複数内格 tehtävissä は動詞 olla と結びついて「〜できる」といった可能性を表すことができます。

Tietokone on helposti korjattavissa.
コンピュータは簡単に(helposti)修理できる。

tavata「会う」からできた tavattavissa はしばしば使われます。

Onko hän tavattavissa?
彼女に会うことはできますか。

「フィンランド語文法ハンドブック」P.282

なるほど。tavattavissa だけではなく korjattavissa のように他の動詞でもこの形を使うことがあるんですね。

ただコンピュータは一台なのに複数形を使うというのはちょっと不思議なところ。このあたりは慣用表現として覚えてしまった方が良いのでしょう。