sea change
昔よく聴いていた音楽をふと聴き直したくなることがあります。
ここ数日よく流しているのが、Beck の『Sea Change』という2002年のアルバム。
おそらく過去に最も繰り返し聴いたアルバムの一つだと思います。
しかしこのアルバムを一番よく聴いていた頃には sea change という言葉の意味がわかっていませんでした。
辞書には次のような語義がのっています。
sea change
1 A profound or notable transformation:
‘recent years have witnessed a sea change in the fortunes of car safety as a marketable quantity’1.1 Australian A significant change in lifestyle, especially a move from the city to a rural or seaside location:
‘people are looking at sea changes for a better work-life balance’
sea change は「大きな変化」の意味。
海のように大きな変化ということなのか、あるいは海流のような自然の力によって引き起こされる変化ということなのか。さまざまな解釈のできる表現だと思います。
「Oxford Dictionaries」によると、この sea change という表現が初めて使われたのはシェークスピアの『テンペスト』という作品なのだそう。
また面白いのは語義中の1.1に出ているオーストラリア英語の「都市から田舎や海辺への引っ越し」という意味。
シェークスピアが生み出した詩的な表現が400年の時を経てこのような現代のトレンドにつながっていることに、時代を超えて受け継がれていく言葉のおもしろさを感じます。