心をしずめる
どれだけ長く日本語とつきあっていても、時に迷ってしまうのが漢字の使い方。
最近も「心をしずめる」と書こうとして、どの漢字を当てるべきか悩んでしまいました。
候補は次の二つ。
しずめる[静める]シヅメル(他下一)
①しずかにする。
「鳴りをー」
②おちつかせる。
「気をー」
③勢いをおとろえさせる。
「あらしをー」
「三省堂国語辞典 第七版」
しずめる[鎮める]シヅメル(他下一)
①さわぎをおさめる。世の中を平和にする。
「反乱をー」
②いたみなどを軽くする。
「いたみをー」
「三省堂国語辞典 第七版」
この中で関係がありそうなのは、静める②の「おちつかせる」と鎮める②の「いたみなどを軽くする」の二つ。
「心をしずめる」の場合は前者に近いような気がするので、おそらく「心を静める」が正解なのでしょうか。
たださらに考えてみると、何か思い悩むことがあって心にいたみを感じているなら、それは比喩的であっても「いたみ」ですから、「心を鎮める」という表現もありなのかもしれません。
例えばこんな使い分けはありでしょうか?
今年のクリスマスプレゼントは何かなー、とそわそわして仕事に集中できない。
→心を静めましょう
→心を静めましょう
今年のクリスマスも一緒に過ごす人がいないので、憂鬱で仕事に集中できない。
→心を鎮めましょう。
→心を鎮めましょう。
もちろん「静める」と「鎮める」の境界はそんな明確に線引きできないという可能性もあるでしょう。
あるいはもっと別のこんな使い分けがありますよ、という情報があればぜひ教えていただければと思います。
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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