キセル
いわゆる無賃乗車のことを「キセル」と言うのはなぜでしょう?
そんな疑問から辞書を引いてみました。
キセル[(:煙管)](名)〔カンボジア khsier〕〔「きせる」とも書く〕
①きざみタバコをつめて吸う用具。ふつう、両はしが金属、とちゅうが竹でできている。
②〔両はしだけに金を使うことから〕〔俗〕乗車駅・下車駅近くだけの切符を持ち、中間をただ乗りする、不正乗車。キセル乗り。
「三省堂国語辞典 第七版」
なるほど。①と②の共通点は「両はしだけに金を使う」ということなんですね。
こんなつながりがあるとはびっくり。
そしてもう一つびっくりしたのが〔カンボジア khsier〕という部分。
カンボジア語?
カンボジア語はクメール語とも呼ばれる言語でこんな感じのニョロニョロ文字を使います。
ភាសាខ្មែរ
それにしてもこの「キセル」はいったいどのようなルートでカンボジアから日本へやってきたのか。少し調べてみたのですがよくわかりませんでした。
ただ①と②どちらの意味においても、キセルという文化は私たちの社会からゆっくりと消えつつあるように思います。
貴重なカンボジア語由来の外来語がなくなってしまうのは寂しいので、キセルにはもうひと頑張りしてもらって、辞書の中に踏みとどまってほしいと思います。