舌とことば
フィンランド語で「言語」を意味する kieli にはもう一つ「舌」の意味もあります。
というか、kieli はもともと「舌」を意味する単語で、そこから「言語」という意味が派生したという成り立ちのようです。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
kieli | language tongue |
言語 舌 |
ただ改めて考えてみると、英語の tongue にも「言語」という意味はあります。
tongue
- [countable] the soft part in the mouth that moves around, used for tasting, swallowing, speaking, etc.
- [uncountable, countable] the tongue of some animals, cooked and eaten
- [countable] (formal or literary) a language
None of the tribes speak the same tongue.…
I tried speaking to her in her native tongue.
「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」
3番に tongue = language の用例が出ています。
英語では「母語」のことを mother tongue と呼ぶのも一般的な表現。
それでは日本語の舌には「言語」という意味はないのでしょうか?
念のため辞書を引いてみました。
した[舌](名)
①〘生〙動物の口の中にあるたいせつな器官。人間のばあいは、ものをあじわい、ことばの発音に使う。
②ことば。弁舌。
「ー(の)先でごまかす」
…「三省堂国語辞典 第七版」
②に「した=ことば」の用例が出ていました。
ことばが巧みなことを「舌先三寸」なんて言うこともありますね。
こうして見ると、あらゆる言語において舌とことばというのは切っても切れない関係なのかもしれません。
もちろん舌を切ってしまえば言葉が話せなくなってしまいますので、当然と言えば当然なのかもしれませんが。
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