「氷蘭、瑞典、丁抹、諾威、芬蘭」とは、どこの国?
フィンランドを漢字で表記すると「芬蘭」。これはもちろん当て字です。
芬【フン】は訓読みすると、かお(る)、こうば(しい)とも読み、香りを意味する漢字です。
ふん[芬]
よいかおりのするさま。匂いただようさま。
ふんぷん[芬芬]
においの強いさま。多くよい香りにいうが,悪臭にもいう。
『大辞林』
日本語の当て字によると、フィンランドは香りの国ということになります。
このような国名の漢字表記がいつ、どのように成立したのかについては、よくわかっていない点も多いようです。
一つ確かなのは表記に関する明確なルールがある訳ではなく、あくまで慣例に従って用いられているということ。
ヨーロッパの国名では、イギリスの「英吉利」、フランスの「仏蘭西」などはよく知られているものの、一見どこの国なのか判別が難しい表記も多くあります。例えば、以下の漢字はどうでしょう?
- 氷蘭
- 瑞典
- 丁抹
- 諾威
正解は次のとおり。北欧の国々でした。
カナ表記 | 漢字表記 | 一文字 |
---|---|---|
アイスランド | 氷蘭、氷島、氷州、氷洲、愛撒倫 | 氷 |
スウェーデン | 瑞典 | 瑞、典 |
デンマーク | 丁抹、璉馬 | 丁 |
ノルウェー | 諾威、那威、能留英 | 諾 |
フィンランド | 芬蘭、芬蘭土 | 芬 |
*Wikipedia「国名の漢字表記一覧」より
アイスランドは「氷」の国というのはイメージどおりでしょうか?
ただしよく見ると、アイスランドだけは意味に基づいて漢字が選ばれているのに対して、それ以外の国は音に基づいて漢字が選ばれていることがわかります。
フィンランドが「香り」の国なら、スウェーデンは「端っこ」の国、デンマークは「偶数」の国、ノルウェーは「同意」の国ということになるでしょうか。
全く関連性のないところが逆におもしろいと思いました。
上記の出典とその他の国名の漢字表記はこちらから見ることができます。
最初にこのような表記を考えた人は大変だったでしょうが、一方ではすごく楽しい作業だったのではないでしょうか。
そんな担当があるのだとしたら、ぜひやってみたいものだと思います。