キャスト
モスバーガーで遅い昼ご飯を食べていたら、トレイ上のペーパーに印字されたこんな文言が気になりました。
人の喜ぶ顔が好きな人。キャスト募集中
ここで言うキャストというのは従業員のこと。ディズニーランドのアルバイトスタッフをキャストと呼び始めたのがこの用法の始まりでしょう。
さすがにこの用法は国語辞典に出ていないだろうと思ったのですが、念のため引いてみると次のような記述がありました。
キャスト(名)〔cast〕
①役割。配役。
②従業員。
「テーマパークのー」
「三省堂国語辞典 第七版」
さすが三国。用例の「テーマパークのー」というのはやはりディズニーランドを念頭に置いているのでしょう。
英語の cast にもこのような意味はあるのかな?と思い、探してみました。
cast
名(複 ~s /-ts/)C
- [通例 the ~;集合的に; 単複両扱い](映画などの)出演者全員;配役、キャスト
- [医]ギプス(plaster cast)
- 鋳造(物);鋳型(いがた)…
- (主に英・かたく)様子、特徴;気質…
- (石・さいころ・視線などを)投げること、ひと投げ;投げた距離;(釣り糸・投網を)投げ入れること
- (やや古)(軽度の)斜視、やぶにらみ
- (文)色合い、気味
- (ミミズなどの)盛った土;ふん
- 猟犬[牧羊犬]が走り回ること
「ウィズダム英和辞典 第4版」
他の辞書も確認しましたが cast(=従業員)の意味は見つからず。ということは少なくともこの意味における「キャスト」は和製英語ということになります。
ただ「アニメ、コスプレ」のように英語→日本語→英語という和製英語の逆輸入例もあるので、このキャストだっていつの日か英語に逆輸入される日が来るかもしれません。